'60年代最後のRock

 60年代の最後のロックを取り巻く世界は、悲劇性に満ちていました。ベトナム戦争の泥沼化が進み、アメリカでは逃れようとするように、若者の間に麻薬禍、大麻、LSDなどの大ブームが起きてきます。中でもロック・ミュージシャンのほとんどが麻薬に染まり、麻薬による退廃的な気分、絶望感が滲み出てきます。多くのロック・ミュージシャンが麻薬によって命を落とす事態になります。
当時、日本ではロックはそれほどというか、若者達の一部にしか伝わってきておりません。もちろんゴーゴーのダンス音楽やビートルズの後期の作品は入っていましたが、音楽とドラッグの結びつきなどの情報は非常に少なかった。ただ、アメリカ軍のラジオ放送などを通じて、何かが起きていることは知っていました。ここらが今日の情報が同時的に伝わる状況とまるで違います。
 ジャニスが死んだ時、小さな記事が新聞に載っていたのを覚えています。女性ロック・シンガーが死んだ、それだけでした。えぇー!!って思いましたが、私の友人でロックを聴いている人はほとんどいませんでしたから(当時25歳)、誰も共感してくれない。そんな時代です。ウッド・ストック(69年)も、何かアメリカで凄いコンサートが行われたという噂しかなかったのです。写真はずっと後からでしたし、その演奏も随分たってから紹介されました。

 ロックがアメリカで流行り始めるのは、67、68年くらいかららしいので、日本なんてこんなものでしょう。この初期を彩っているのは、今はほとんど知られない人達が多いですが、ここでは伝説的な人達を掲載します。ロック関係は次にハードロック、プログレッシブロックを紹介しますので、それに当てはまらない人達で構成してあります。順番は死者を奉じる感じで最初にもって来ました。


Janis Joplin「Cut」1993.9
 ビリー・ホリディの再来とも言われます。生涯は本にもなりましたし、映画化もされました。この時代をあらゆる意味で代表するミュージシャンです。早く死んでしまったのが残念でなりません。



Jimi Hendrix「Cut」1993.9
 今は無きジミヘン。根強いファンがいるようです。ジャニスもそうですが、生きている内は、あまり聞いてないというか、聞くチャンスがほとんどなかった。


Rolling Stones
 ビートルズの後追いのような印象があったものですが、70年前後からロックとしてのローリング・ストーンズが輝き始めます。



Eric Clapton-Cream

 クリーム時代は日本では紹介もされなかったこともあって注目されず、クラプトンがギターの王者に君臨するようになってから、クリームは知られるようになります。私なんかも、こういうバンドがあったんだ、なかなか良いバンドだったんだ、という印象です。ここらが歴史と、現実に聴いている、しかもアジアの辺境で聴いている感覚との落差ですが、まぁ、実は欧米でもクラプトンが有名になってから評価した疑いもあります。


Beatls
 ビートルズは日本に来た頃は、アイドルで、大学生以上が聴く音楽とは見なされていませんでした。70年代の再登場に、かつてのマッシュルーム・カット、さわやかなイギリスの青年というイメージから、髭面、長髪は、相当に驚きました。 ビートルズはロックという感じは私はあまりしませんでした。これはご存知の最後のアルバムです。LongWindingRoadは、私のお気に入りというか、この時代の若者の気分を強く刺激するものでした。




Lou Reed
 ベルベット・アンダーグラウンドの旗手ともいわれ、数多くの実験的な試みを行ってきた人です。一般的ではなく、コアなファンが付きました。日本で注目されるようになるのは70年代の半ば過ぎであったように思います。その頃になると、大量の情報が入り、大量のロックが日本にも入るようになり、アンディ・ウオーホールがらみで注目されるようになった。その頃には既にベルベット・アンダーグラウンドは解散していたと思いますが。



Steppenwolf
 映画、イージーライダーでの音楽で注目され、ヒットとなったグループです。ビッグ・メジャーにはなりきれずに、忘れられていった感じがします。
Born To Be Wild


CCR(Creedence Clearwater Revival)
 この人らも、ブリティッシュ・ロックのファンからは糞ロックと罵られた人達でした。まぁ、単純な音楽ですから仕方がないかもしれません。でも今、聞くと実に懐かしい。


Alice Cooper
 それほどヒットはしなかった人で、一斉風靡したというのは誇張のような気がしまう。首を吊ったでかいポスターは衝撃的でした。何か死にひどくこだわった人のようです。ビジュアル系ロックのはしりとも書かれていますが、日本での紹介は非常に少なく、80年代前半で失速とWikipediaでは書いてありますが、それはアメリカの話でしょう。70年を少し過ぎた当たりで日本では失踪したという噂まで流れ、全然、話題にならなかった。今頃になって評価が高いのは不思議です。


Ten Years After
ウッド・ストックがらみでこのバンドを挙げておきます。


The Shocking Blue   Vienus


The Moody Blues   Nights in White satin´67


Buffalo Springfield For What Its Worth 


Jefferson Airplane - Somebody to love


Joe Cocker  With A Little Help From My Friends
 リバイバルの演奏です。もうロックらしさが抜けた感があります。



B.B. King
ブルースの巨人であり、長いキャリアがあり、何時が最高の時期であったのか。70年代にも相当な活躍でした。


Santana
ラテンロックのはしりです。大流行しました。特にカルロス・サンタナの人気は凄かった。


おまけ
1950年代のロックを紹介しておきます。
Chuck Berry



Jerry Lee Lewis                          Elvis Presley
Whole Lotta Shakin' Going On (1957)                     Jailhouse Rock 1957


Bill Haley
Rock Around The Clock