アメリカでジャクソン・ポロックから始まる抽象表現主義、その後のPOPアートと変遷していく流れというのは、日本人にはとっつき難いというか、何が良いのか分からない、何を訴えたいのか分からない、ひいては何が描かれているのか分からないという風に、一般人から遠いものになりました。 そういう中でハイパー・リアリズムあるいはスーパー・リアリズム と呼ばれた写真を使って写真そのままに克明に描写する流行が60年代末から70年代にかけて巻き起こります。 それはすぐに日本でも紹介されます。日本ではむしろ2000年代になってから流行していますが、当時としては私も展覧会で見ましたが、本当に写真と区別がつかないのですし、評論家の言う魔術的リアリズムは分からないでもありませんが、その良さを感知することが難しいものでした。 このために日本語のWikiにもありませんし、作家の名前を聞いても印象にありません。
Robert Bechtle

 むしろ銀座の画廊辺りでは、ポップス・マニアリズムと銘打った紹介があり、シュールレアリスティックで馴染みのあるものでした。 ポップス・マニアリズムは、現在(2010年)の段階で、忘れ去られたものです。紹介者はブームのような言い方をしていますが、さてどうだったでしょうか。 今では、ここで採り上げたアンソニー・グリーン英語版Wiki)以外は、見当たりません。あまりよく分かりませんが、気になった作家なので、ここに残しておきます。


 アメリカ絵画という意味では、この時代というよりも、少し後から日本で紹介された アンドリュー・ワイエス がいます。ワイエスはアメリカン・リアリズムの作家として紹介されています。


 また、ジョージア・オキーフが後々、紹介され、人気を集めました。本来の順番と違っているのは、私が絵画に関する情報の仕入れ方が偏っているというか、ド素人だからかもしれません。私の知った順番であることです。世の主流は抽象的な現代絵画であって、日本における美術の受け止め方というか、輸入に大きな制約があって、最新の流行を追いかけ、バイアスがかかり、抽象が高級で最先端で、こういう具象的な作品を排除する傾向が濃くありました。一種の進歩史観です。ヨーロッパ至上主義もあります。ですからアメリカの具象的な絵画は一段低く見られる傾向があり、これは現在も変わりません。

 アメリカ絵画の紹介は、このように逆になる傾向があって、エドワード・ホッパーの一般的な紹介も、90年代に入ってからではないでしょうか。知らない人のためにホッパーも絵を掲げておきます。