俳優達

70年代演劇は演出家の時代であり、演出家に強い脚光が当たり俳優達は無視されていましたが、肉体が大きなテーマであったように俳優の時代でもあります。まぁ、こんなことを言う人は私くらいなものですが。肉体を強調した唐十郎が故に状況劇場の初期には個性的な俳優揃いでした。しかし他の劇団にも沢山のユニークな役者がいました。このページでは多くの俳優達を紹介したかったのですが、残念ながら役者個人の写真を収集は困難が多く、わずかな代表的な役者のみになっています。大変、残念です。

唐十郎
 演出家であり俳優でもあった唐十郎は演劇以外に映画出演も、ユニークな雰囲気から、それほど多くではありませんが、デビュー当時は「不吉な役者」と評され、存在感があります。左は若い頃の写真で、私が見始めた頃には、もうちょっとプヨプヨした感じの白い肌が特徴的です。筋肉質なのでしょうが筋肉を感じさせない裸体はなかなか面白い。


李礼(麗)仙
いわずと知れた唐十郎夫人(後に離婚)で、状況劇場の看板女優として舞台でも、裏方でも大いに頑張りました。

  



麿赤児
最初は状況劇場の役者として、次に大駱駝鑑の主催者、ダンサーとして活動していきます。 そのユニークな容貌、姿は写真集として出版されています。

こちらは2011年発行です。当時の雰囲気やら麿自身の話は面白いです。

四谷シモン
 人形作家になる以前の情況劇場の役者時代のものです。 オカマというか、ホモというのか、倒錯した雰囲気が写真家を刺激し、状況を辞める頃、10人の高名な写真家による展覧会も開かれています。 後に向田邦子作、久世光彦演出の作品に医者役として、ほぼ全作品に登場しています。

写真は加納典明

大久保鷹
 状況劇場の看板役者として初期の劇団を支え、大変な人気がありました。 舞台に上ると、方々から「鷹」、「鷹」と声がかかっていました。

根津甚八
 麿、シモンがいなくなった後、状況劇場の若手の主役俳優として支えました。 凄まじい人気は彼をTVや映画の世界に向かわせますが、後に続いた小林薫ほどは器用ではなく、個性的な俳優が故に、大メジャーにはなりませんでした。
李礼仙と共に

小林薫
 唐さんのところから出た最後?の有名男優です。Wikiによれば退団は80年だそうです。 根津さんが辞めた後に李麗仙さんと主演を張って盛り上げる努力をしていました。 ただ、私のような古い観客にとって以前の連中が強烈過ぎたので、やや物足らない。 それでも小林まで辞めてしまって、状況劇場はどうなるのだろうと皆で心配しました。
 小林自身は、退団以降、映画、TVなど大変な活躍で、他の人達のように個性が強くない分、プロデューサーや監督にとって使いやすかったようです。陰口では小林は何も考えない奴だから、というのもありました。
 なかなか若い頃の写真がなくて・・・・・。



十貫寺梅軒
主役を張ることはありませんでしたが大事な脇役でした。結構、TVドラマに出ています。もう一人の脇役の不破万作の昔の写真は出てきますかどうか。この二人に比べて主役を張った根津甚八よりはTVによく出ているようです。

 天井桟敷のメンバーがなかなか見当たらないので、「中国の不思議な役人」のパンフレットから、有名・無名に関係なく挙げておきます。新高恵子や蘭妖子は後からも出てきます。なお、この公演での主役は伊丹十三、山口小夜子です。



新高恵子
 天井桟敷の看板女優です。寺山修司の死と共にリタイアする人が多く、新高恵子もその一人です。 最初はポルノ映画に出演していまして、天井桟敷に行った時には、ちょっと驚いたものです。 そのイメージが最初にあったために色物扱いされた感じもします。


蘭妖子
 これはネットで拾ってきたレコード・アルバムのジャケットです。しわがれ声に特徴があって、ファンが結構、いるようです。私自身は演劇以外では見たことはありません。


鈴木いづみ
 天井桟敷に在籍していたことも有名な話ですが、私自身は演劇での彼女を見たことがありません。 荒木さんの写真で有名です。また、ジャズの阿部薫と結婚していたこと、寺山さんが亡くなられて3年後の86年に波乱の人生を終えています。 ある種、寺山好みのキャラクターという感じがします。
写真は荒木経維

下馬ニ五七            J・A・シーザー
 この人は役者ではありませんが・・

清水鉱治
 68/71の看板役者です。アングラ時代はともかく大変な人気でした。以降、映画やTVに出演。 まぁ、癖がありますから、そうそうは売れませんでしたが・・。女優の大谷直子と結婚しています。 「秘密の花園」は見ていないのですが、唐十郎が監督をしています。左は柄本明、女性は緑魔子。


草野大吾
68/71というより、それ以前の6月劇場なのでしょうか。早くからTVや映画などで活躍していましたので、あまりアングラの役者であったという感じがないのです。早くに亡くなられました。


新井純
 多分、この写真で間違っていないと思うのですが、68/71の看板女優です。 清水鉱治と人気を二分していました。
季刊同時代演劇#4

白石加代子
アングラ演劇の女王ともいわれます。早稲田小劇場の看板女優であり、彼女のために早稲小があるともいうほどの存在です。 鈴木忠志も彼女がいなかったらどうだったのだろうと思います。


「トロイアの女」から

蔦森皓祐
 早稲小の看板男優です。
トロイアの女から

杉浦千鶴子
 
                         トロイアの女より
 杉浦千鶴子は早稲田小劇場の看板女優です。 白石加代子の強烈過ぎる女優の影になっていましたが、評価は高いものがありました。もの凄く目立つということはなかった人です。

石橋蓮司 
 
 石橋蓮司はTV、映画でも活躍しましたから、むしろアングラ演劇の主催者だった時代は一般的には忘れられているかもしれません。最初は蜷川幸雄と組み、蜷川の作品に主演俳優に近い形で蟹江敬三と並ぶ存在でした。左は当時の石橋です。後に第七病棟を立ち上げます。その頃に緑摩子と正式に結婚したのではないかと思います。

蟹江敬三
 この画像はGメン75から拝借したものです。アングラ時代のもので大きな画像は見つかりそうもありません。蜷川さんがアングラ時代を支えた主役俳優ですが、蜷川さんの当時の芝居は群集劇でしたから、それほど劇の中で目立った感じはありませんでした。早くからTV出演が多く性格俳優として確固とした地位を築きました。




井上博一                  加藤真智子            本田龍彦
   
 お三方、共に現代人劇場というか蜷川演劇の主要メンバーです。

品川徹                                
瀬川哲也

 品川徹と瀬川哲也は、転形劇場の二枚看板でした。瀬川さんは2005年に亡くなられました。


大杉漣
太田省吾「劇の希望」から
 転形劇場から出て最も有名な男優になりました。映画やTVで活躍します。 私が見ていた頃は主演を勤めることはなかったので記憶はありません。

坂本長利
 ネットも情報が少ないですな。ここに取りあげた人の中では最も芸歴は長いです。 最初は夕鶴で有名な山本安英さんのところの「ぶどうの会」に入って、アングラ演劇の始祖の一つである変身を結成、2年で変身は解散、その後は状況劇場の腰巻お仙、つかの熱海殺人事件に出演、文学座の公演にも参加。以降、一人芝居「土佐源氏」を敢行、土佐源氏によって我々、観客にも坂本長利を意識させる俳優になったのです。ネット情報だと、映画やTVにも数多く出演しているようですが、私自身は意識して坂本さんが出演していると思ってみたことはありません。下は土佐源氏時代のもので、今は左端くらいに老いていますが、当時の素顔は真ん中の写真で左端は舞台での姿です。


すまけい                       
 

西田敏行
 彼の出世作は、写楽考ではなかったかと思うのですが・・。青年座から面白い奴がいるという話があったように思いました。 まぁ、記憶は曖昧ですから・・。この中では最も成功したというか、世に知られた俳優と成りました。 写真は劇団青年座四十周年史から持ってきました。
江戸のろくでなし
からゆきさん
つくづく赤い風車

平田満
 つかさんの初期の主力俳優で、その後、TV、映画で活躍しました。
 

風間杜夫
 子役時代から活躍していたと本人が書いています。 子役から青年時代にも絶大な人気を拍するようになるのは、やはり、つかこうへいの力でしょう。TVや映画で活躍しています。
風間杜夫「ほんとうのこと言おうか」

三浦洋一
 TVや映画では見ましたが、劇場では見ておりません。早く亡くなられました。


萩原流行
 スーパーカンパニーやつかさんの所で役者をやっていました。 舞台に出ると声がかかりました。ただ、そんなに印象は濃くなくてTVに出た時に、知っているという感じでした。
女優は根岸季衣
左は平田満

緑魔子
 この中で唯一、アングラ演劇がスタートでないのが緑魔子です。 「二匹の牝犬」(東映)で小川真由美と共に鮮烈なデビューを飾り、映画女優として小悪魔的な悪女を演じさせたら天下一品のもので、その脱ぎっぷりの良さは当時の女優にはないものでした。

 アングラ文化との関わりは、名前の売れた人には珍しく、かなり早く、あがた森魚とのコンサートや、結城人形座での人形との演劇などがあります。それでも映画やTVの印象が強くあり、石橋蓮司との結婚には驚かされました。石橋の劇団第七病棟では主演女優として活躍します。


イビザ

吉田日出子                                     

 吉田日出子は自由劇場の看板女優です。演劇の舞台ではそれほど分からなかったですが、TVで彼女の個性が非常に目立ち、その特異なキャラクターが故に、バラエティ番組などで大いに活躍します。

北村魚
 北村魚は演劇団の看板女優です。数多くの舞台をこなし、登場時には「トト」の声が上がっていたと思いました。・・さすがに忘れました・・


銀粉蝶 

 銀粉蝶は劇団魔可魔可の看板女優として、魔可魔可解散後は夫の生田萬と共にブリキの自発団を結成、劇団を看板女優として引っ張っていきます。Wikipediaによれば最後のアングラ女優の異名とのことです。


根岸季衣


 この他に田村連、昭和精吾、不破万作など数え切れませんが、当時の写真で大きなものがないので保留しています。 発見できたら掲載します。下の印象的な女優は誰なのは分かりません。佐藤忠男「演劇と変貌」の表紙になっています。