Film(映画)



60年代から始まる実験映画、映像の革命運動はアメリカでの優れた映像作家により開花します。ジョナス・メカス、ケネス・アンガーを代表とするものです。実験映画の波は我が国にも打ち寄せ、60年代は草月ホールを中心に行われ、70年代は草月から離れて広がり始め、それと共に、日本人作家、映像を主に扱ってきた人以外でも、詩人や小説家、デザイナーなどや、若手による各種の試みが始まります。実験映画という言い方と同時にアンダーグラウンド・シネマという言い方も普及しました。
一方、大手映画会社のマーケティング発想の映画作りに不満を持つ若手の映画監督は60年代にATG(Art Theater Gild)を結成し、低予算の中で意欲的な作品を発表し続けていました。70年代はそれがなお、大きな勢いを持っています。

70年代は、特に北欧から始まった性革命(Sex Revolution)が欧州全体、アメリカに広がったことから、その影響を受けてピンク映画、そして日活ロマンポルノの誕生に繋がるなど、性が大きなテーマになります。また、ドキュメント映画でも新たな映像表現への挑戦が行われ、当時の世相から極めて政治性の強いメッセージを含むドキュメンタリーが作られ、若者を引寄せます。

一般映画においても、70年前後には、ベトナム反戦運動などから、ハリウッド映画では人々の心を捉えきれなくなり、アメリカン・ニューシネマと呼ばれる一群の作品が作り出されます。また、70年代半ば以降には、戦前のドイツ表現主義映画以来、長く不振を続けていたドイツ映画で若手を中心とした革新があり、ニュー・ジャーマンシネマと呼ばれる監督達と作品が生み出されてきます。もちろんフェリーニやブルニュエル、ゴダールなどの巨匠も健在です。なかなかの時代です。

映像の様々な革新は、やがてTVのCMに取り入れられ、次にやってくるビデオ映像時代への道を切り開くものとなります。