富樫雅彦(perc)
佐藤允彦(p)
井野信義(b)
峰厚介(ts)

Free Jazz


69年から75年にかけてのチラシが14枚残されています。ジャズ関係は大きなイベントでない限りチラシが作られる事もなく、せいぜいライブハウスの月ごとの出演バンドの一覧表のみです。当時はワープロもなく、コピーも非常に高額でしたから、仕方がない部分もあるかと、一応、言い訳させてください。私自身のライブハウス経験は、チラシの3倍くらいです。入り浸っていたわけではありません。75年で切れるのは関心がロックに移っている為です。

副島輝人「日本フリージャズ史」青土社を読むと、60年代半ばから、日本のフリージャズは高揚期を迎えます。アメリカの影響よりも日本の中で独自に高まる、豊かな才能の結集にあるようです。 副島氏の本の最初にある豊住芳三郎ドラム、吉沢元治ベース、高柳昌行ギタートリオの69年末の新宿ピット・イン倉庫での演奏の話が出てきます。 このライブこそ知りませんが、71年ごろ、フリー・ジャズの洗礼を受け、強く惹かれたことを、よく覚えています。ジャズの専門誌は当時、少なく、特に日本人演奏者を取り上げるものはほとんどなかったように思います。渡辺貞夫にしろ、日野皓正にしろ、既に相当に人気がありました。それでもライブ・ハウスが常に一杯になることはなく、40人くらいの席数に15人も入っていれば、今日はまぁまぁだなと、10人を切ることもしばしばでした。確かクリスマス・コンサートで、結構な豪華メンバーなのに、演奏も素晴しかったのに、数人なんてこともありました。女の子とのデートでジャズのライブを聴くなんてことは、ありえない時代でした。多くの人達にとってジャズは難しい、分らない、楽しむというより、インテリが苦行僧のように聴く、そんなイメージがありました。
巷では70年前後は大変なジャズ喫茶ブームでしたが、日本人演奏家のライブに足を運ぶ層はひどく少なかった。
チラシの最初に富樫さんがあります。70年に事故でライブができなくなりますから、これは最後か、最後に近い時期のものでしょう。 2枚目は当時ヤマハが経営していた合歓の郷で行われたジャズインの多分、最初のものではないかと思います。

富樫雅彦をかこんで 1969.12 Nemu Jazz inn 1972.7  
富樫雅彦

渡辺貞夫
日野皓正

菊地雅章クインテット1973.1
ニュージャズ・シンジケートの第2回のものです。読み辛いですが、出演者の2番目に、最近、評価の高い阿部薫の名前があります。先の本から阿部薫の写真も載せておきます。私自身は阿部薫の記憶はありません。聞いてはいたと思いますが、もしかしたら凄いと思っても、誰か分らなかったのかもしれません。そういうこと多かったですから。
ニュージャズ・シンジケート1974.7
  阿部薫


向井滋春クインテット1975.1
山下洋輔さんは、いろいろなことをやってきて、TVの出演も多かったので、実はフリー・ジャズの人とは思っていませんでした。たくさんの人達とのコラボレーションがあり、様々な挑戦をしてきたスターだと思います。演奏の方は古いものがないので復活祭のものです。
山下洋輔トリオ1975.4 んさあとごっこVol.3 1972.6
1970年若かりし頃ですな。
こちらの画像は若松孝二監督の映画の中の場面のようです。他に古い画像はありませんでした。



沖至
沖至(日本フリージャズ史)

当時、詩の朗読会が盛んに行われていて、フリージャズとのコラボレーションが試みられ、多くのファンを惹きつけました。上は沖至さんが参加しています(1976.10)。左はジャズとは関係ありませんが、催ものとして掲載しました。緑魔子さんもコンサートに挑戦していて吉沢さんが参加しています(1973.2)。

 日本におけるトランペッターの中で現代音楽と呼ばれる領域における方法はもちろん、貪欲にむさぼり食っている沖が、時々試みるものに「水との対話」がある。バケツに入った水の中にトランペットをぶち込んで吹くというものだ、・・(美術手帳71.1)


豊住芳三郎さんは私にとってはフリー・ジャズに開眼させられた人です。凄いなと思って一生懸命名前を覚えました。渡米前に演奏は聞いて、これは帰ってきた時のライブの案内です。 アングラ映画の音楽も手がけて、足立正生監督の「連続射殺魔」は富樫さんと高木元輝さんのようです。私が見たのは70年に製作された奥村昭夫監督の「狂気が彷徨う」で、高木元輝さんと豊住さんのデュオです。映画の記憶はあいまいですが、音楽は素晴しかったです。全盛期ですから。この映画については、Filmの方でチラシを出します。豊住さんと高木さんの写真は日本フリージャズ史からです。
豊住芳三郎1975.7  
   EEU First concert 1975/高木元輝、近藤等則、徳弘崇、豊住芳三郎、土取利行



今は武道家になっている日野晃さんが参加しています(1970年)。この映像は2008年のものですが。

ナベサダさんといっしょだったこともある、亡くなられた本田竹広さんです(1974年)。

Piano:本田竹広 TS:峰厚介

ジョージ大塚


フリー・ジャズは私のような素人から見ていると、段々、現代音楽との境目がなくなって、抽象性が強まっていったように感じました。ロックの破壊力、ある種の音楽的だらしなさ、ボーカルの優しさ、親しみやすさに、負けるというと問題ですが、客の動員力、影響力に問題を孕んでいたような気がします。