官能劇画

貸し本漫画が終焉を迎える頃、劇画に向かった貸し本文化の残された性の分野で、大人向けの漫画週刊誌が発行されます。漫画エロトピアは中でも代表的な存在でした。日活ロマンポルノがそうであったように、性の分野は、それさえ描いていれば、他はOKという形の自由度から、様々な才能が生まれてきます。性というものが大きなテーマであった時代背景の中では特に、その傾向が強く現れてくるのでしょうか。70年代から80年代にかけて特異なジャンルが形成され、エロ劇画、官能劇画と称されるようになります。読み手は圧倒的に男、男しかいないと言ってもよいでしょう。

石井隆

レイプや陵辱などをモチーフとした男と女の閉塞感漂うドラマを描きこむことで、その名を轟かします。映画の原作にも、やがて自身が映画監督になります。テーマは一貫して同じです。荒れた都市の風景と雨、銃、ローアングルからの行為が特徴です。名美という女性に強く託されます。荒廃した雰囲気が、この分野から出発した作家として最も成功に結びついたというべきでしょうか。


ダーティ・松本
レイプや、深窓の令嬢を性奴隷にする、妄想を刺激する作品が特徴で、身体が湾曲、極限的なポーズを絵として表現します。2人と同時に交わる形が多いのも特徴で、スピード感は独特で励起し、射精の興奮が伝わるような作品です。ロングな物語はほとんどない。ある種、カルト的な人気の作家です。古書店では見つかり難い作家です。

暴姦性狩人                                                夜の彷徨人

内山亜紀
ロリータというか幼児ポルノを初めて登場させたことで有名になりました。いわゆるエロ雑誌ではなく少年誌に連載したものですから、激しい反発を食らったこともあります。以降、幼児ポルノが出てくる契機ともなった作家です。

危険な果実

ひさうちみきお
ひさうちみきおの漫画はエロ系ではあるのですが、エロ談義みたいなところが強くあって、性行為もあるけれど、ちょっと不思議なところがあります。巧く言い表せない。
ガリバー旅行記


宮西計三
官能劇画に入れて良いのか迷う作家です。漫画家というよりもイラストレーターという方が強いので、ARTの方に移動するかもしれませんが、とりあえずここに置いておきます。非常に繊細な稠密な絵が描ける。右側はインディーズ系のミュージシャンとしてレコード・ジャケットとして作られた作品です。
      



ふくしま政美
女犯坊