〜近代の終焉〜

アサヒカメラの1975年に「近代写真の終焉」という特集号が出版されています。ここでいう近代写真とは絵画の真似をしていた写真が、写真の特性を生かした、人間の目よりもレンズを中心にした表現、材質感を重視した写真のことと対談の中で言っています。この近代からの脱皮、近代の終焉として、特集号が組まれていますが、こういう言い方というのは、よくあるものですから、内容的には何もない。ただ、当時、新しいタイプの写真家が続々と登場してきたのを、適当というと語弊がありますが、特集を組んだということです。ここではこの雑誌に掲載されていた写真展を紹介します。

こういう特集が組まれた契機となっているのは、この表紙写真にある国立近代美術館で開催された「15人の写真家展」です。写真家のみの展覧会は、国立美術館としては最初のものではないかとも思います。それだけ画期的なことだったのです。私も見に行きました。15人の写真家で知らない人はほとんどいなかったですが、多くが当時、若手とされた人達が認められた瞬間であったと言えます。
写真は篠山紀信の「晴れた日」


この本の中で紹介された展覧会はいづれも74年に開催されたものです。

今では困難な取り合わせの「写真から写真へ」展が、実験映画の項で紹介した新宿厚生年金会館近くのMATO GROSSOで開催されました。あの頃は皆、若かったですから・・・・

             
「写真についての写真展」が荻窪にあったシミズ画廊で行われます。シミズ画廊は写真展を頻繁に開催しています。銀座は絵画でしたから、中央線でも新宿からも離れた場所でしたが、写真展に積極的な画廊は少なかった(売れないから)ので貴重だったのでしょう。シミズ画廊は何回も行った事がありますが、決して大きなスペースではありません。確か1階と2階の両方が使えたと思いました。



                                       こちらはMATO GROSSOでの荒木さんの展覧会です。

写真展以外では、マンレイ、アッジェ、ロバート・フランクが紹介されています。当時は、一般の読者にはほとんど知られていなかったので、アサヒカメラとしても、相当にユニークな特集号であったと思います。