ダイレクトメール(DM)の無力化


 マイケル・カレン以来、スーパーにおけるダイレクト・メール(DM)は販促手段の代表格である。その内容や扱い方には日本と欧米に落差がある。
 日本のDMは新聞に折り込む以外はほとんどない。一方、欧米は全家庭が、新聞を宅配で取るという習慣がないため、ほとんどがポスティングで行われていると思われる。このため、日本のDMは多くがA3を2枚に折った合計4ページ、あるいは裏表の2ページで構成され、週1回、今週のお薦め品、今週のフェアという形で表現される。店には、貼りだしてあるだけで、消費者は持ってくる以外には、どれがお薦め品なのか、何のフェアをやっているかは知ることはできない。顧客がDMに関心を払っている様子はほとんど見られない。
 一方、欧米は薄くても10ページ前後はあり、店頭に山積みになっており、手にとって買い物ができる。しかも多くがクーポン券を付けており、次に来た時に安く買える仕組みがある。

 このDMの方法の違いは非常に大きい。日本では、主婦は各店のDMを見比べて、どこで何が安いかを見比べて、スーパーを掛け持ちして買い物をすると言われているが、こういう主婦は、かつても、今も全来客の中の何パーセントあるだろうか。また、他店の店頭価格を調べて、どこよりも安さをアピールするために値札を毎朝、書き換えるとも言われた時がある。しかし、今、それほど真剣に安売りで頑張る店が大手スーパーにあるだろうか。
 DMを置かないのは、売切れで該当商品がDM値段で売れないからとも、該当商品は単なる見せるだけの商品だから、客を釣るためだからとも言われる。店頭に堂々と置けないDMとは何であるのだろうか。

 基本的な供給システムの不備から生じている欠品問題によって、販促が無力化している。明らかにDMも慢性化し機械的に行われており、どこのスーパーも同じような企画を毎年繰り返している。催事が共通になるのは、ある面では仕方がないが、フェアも北海道フェア、九州フェアなどなど、どこも同じ企画である。

 DMは何のために行っているのか。私のHPのトマト・フォーラムで、DMに掲載されたトマトの産地や価格を発表しているが、野菜の中で最も消費量が多いトマトだが、どのスーパーも同じような時期に同じような容量、価格で販売している。どこにも戦略も戦術もない。つまり販促をしていない、販促になっていない。
お亡くなりになった田島先生が生前、日本のスーパーは特売以外、安売り以外に何の方法論も、顧客管理もないと言われた。新聞で安易に配れるが故に、顧客を把握することが行われていない。これほど無駄なことはない。