非民主的な組織


非民主的な組織


 欧米では日本のように直営で店を運営するのは実は少ない。ボランタリー・チェーンやフランチャイズ・チェーンの方が多い、というより圧倒的にこれらの経営スタイルを取る。
 何故かというと、店はサラリーマンが経営するよりも、個々の店にオーナーがいて、その人が経営する方が効率的であるからだとしている。日本的な考え方では、トップの指令が店の隅々にまで浸透することが、効率的であるとされ、そのようになっている。ところが欧米では、日本のような軍隊式の管理は、官僚的になり、硬直した思想になりがちで、マーケットへの対応力が低く、非効率であるという。
 ここで注意すべきことは、オーナーというのは、一店しか所有・経営していない場合は少ないことである。オーナーも法人企業であり、組織をきちんと持っており、経営計画に従って、しっかりした経営をしていることである。本部の命令、しばしば不合理なものも含む指令を唯々諾々として聞くことはない。オーナー企業の方が本部よりも大きい企業である場合もある。加盟店の方からチェーン全体の経営に対して様々なアドバイスや提案、あるいは経営そのものへの参画もある。
 日本ではコンビニや外食チェーンに見られるように、オーナーが個人の場合が圧倒的に多く、極めて弱い存在であり、本部から、ややもすれば収奪、あるいはリスクを全部背負う存在になっているのが、残念ながら一般的である。
アメリカに行った時に衝撃的だったのは、本部はオーナーの財産を如何に守るかを、常に考えている、リタイアする時には、オーナーがハッピーであるように、最善を尽くすのだということを聞いた時である。日本のどんな立派な経営者でも、こんなことは頭の欠片にもないのではないだろうか。
 さて、商売を考えた時に、いったいどちらが正統な考え方だろうか。私は、やはり民主主義の国を尊敬したくなる。


24時間営業のメリハリ

 営業時間の延長や24時間営業のスーパーが拡大しつつある。消費者の便宜性が増すという点では歓迎すべきことなのかもしれない。しかし、客数や客単価の上昇に、どれだけ結びついているのだろうか。新たな客が24時間営業によってスーパーに吸い寄せることができるとすれば、コンビニと外食に行っていた客しかありえないだろう。
 当然の事ながら、店舗の立地により異なるが、相変わらずチェーンの理論から、全店、同じ体制をとる場合が少なくない。客を見ない体質は変わらない。私には相変わらずアメリカのスーパーが24時間営業をしているから、日本もやるべきだという理屈が先行しているとしか思えない。

 顧客は、長時間営業になれば、自分の好きな時間帯に買い物に行けば良くなることから、かつて閉店前に混雑していたものが、ただ際限なく、だらだら伸ばされていくだけである。客数は変わらない。それでも他店が長時間営業していないならば、他店の客を誘引できる可能性が増えるが、それがどれだけのものであるのだろうか。時間の便宜性だけで誘引できる客数は、多くはないだろう。
 深夜、駐車場を歩き、がらんとした店内で買い物をする消費者の気分というのは、快適からほど遠いいものだろう。「空いてて良かった」という感動はわずかでしかない。1品、2品のために、スーパーが開けておく意味がどこまであるのか。同系列の資本で経営しているコンビニがあり、コンビニで間に合わない、スーパーにしかない商品とは何であるのか。馬鹿げた競争としか言いようもない。

 頭の中の理屈では弁当、惣菜類が深夜の時間帯に売れると思うが、コンビニでも主力は普通の昼や夕方の時間帯での販売である。当のスーパーにとって、本当に自分の店の顧客になって欲しい消費者なのだろうか。長時間営業のメリハリのない店作りは、自分で自分の首を絞めていく、本当に努力すべきことを忘れた行為としか言いようもない。