あぶく銭〜ブルセラ/援助交際(援交)〜


 普通の主婦や女子学生が、生活の為ではなく、純粋に金が欲しい、話し相手が欲しい程度で、売春が行われるようになった、しかもそれが大都市ばかりではなく、地方都市にまで広がったことです。バブル時代は、誰でもがブランドを持つ時代に突入した為に、学生を中心にブランド物を買うために売春が異常に蔓延し始めます。ただあくまでブランド物が欲しいは、どこまでの欲望と言えたかは、はなはだ疑問でした。非常に豊かな時代であり、全員が全員、ブランド物を欲していたかは疑問で、これだけですべては説明できるものではありませんでしたが、それでもマスコミ的には、理由なんてどうでも良かった。ともかく週刊誌を買うような中年の男や女のの目を惹けば良かったからです。
 このようなマスコミの報道姿勢は、当の女子高生達の関心を集め、興味本位でマーケットに参入し始めます。参入の契機となったのは、女子高生のグループの中で、こういう売春的な行為を率先して行う子がいて、それが周りを巻き込む形であったようです。そこには道義的な防止装置は機能しなかったことは間違いありません。興味本位が次第にエスカレートしていきました。売春の低年齢化も急激に進行し始め、最初は女子高生、女子中学生、小学生まで出始める事態に進み、社会的に強い緊張感が起きてきます。当時、売春という直接的な言葉ではなく「援助交際」略してエンコウと呼ばれました。

遠原美喜男写真集「ドキュメント未成年」


 特に女子高生が問題でした。補導と、それをかいくぐろうとする女の子達との戦いの様相すら現れるのです。ウリ(売春)、コギャル(高校生)、マゴギャル(中学生)という言葉が飛び交います。80年代から流行し始めたテレクラが、92年には全国で1千軒、3年後には倍増、バブル崩壊をものともせずに成長します。そこにブルセラが登場してきます。
 1995年1月号の雑誌「創」の「女子高生という記号」によれば、TBSテレビドラマ「女子高生」の影響が非常に大きいとあります。Wikiによれば、教師と生徒の恋愛・同性愛・強姦・近親相姦・自殺など、当時に問題となっていた「社会的タブー」を真正面から扱った作品として、非常に話題になったとあり、私も何回か見ましたが、ベタバタの内容でよくは見ておりませんが、話題になったことは知っています。こういうメディアの影響が強く出るのはこの時代の特徴です。少女達の性の枠組みが壊れてくる契機となっているのでしょう。

テレビドラマ「女子高生」左は桜井幸子、右は真田広之


                                  写真の右は、上野のブルセラ・ショップ 日本風俗業大全

 卒業や退学等で不要になった体操服や制服、ブルマー、セーラー服を買い取って、女子中高生に妄想をいだく中高年に販売したことから始まったのです。これらを販売する店は、マニア向けに随分以前からあったとも言われていますが、ブルセラショップと呼ばれ、話題になり始めるのは89年頃といわれます。フェティシズムとロリコンが混じりあったものでしたが、この奇妙な風俗にマスコミの関心が集まり始め、報道が相次いで行きます。
 
バブルの進行とともに内容はエスカレートしていき、使用済み下着を取扱うようになったあたりから、数日履いたパンツに始まり、靴下や使用済み生理用品などなどが、顔写真付きで真空パックまでして販売される。バブル最盛期には3,000円から1万円で買い取って2万〜6万円で売った。鮮度を優先するお客のためには直脱ぎ販売という形で、店に女の子を待機させ、その場で脱いだものを販売する究極の形まで進んでいきます。
 ブルセラショップに、自分のパンツを売るために、女子高生や女子中学生が群れ、それがまた、週刊誌に報道され、メディアの共犯関係が強まっていき、客が争って買いに行くというところまでいきます。ブルセラ問題は社会的にも話題になり、道行く女子中高生に声をかけて直取引して、その場で下着を買い取る「生セラ」まで登場するのです。
 バブル崩壊により相場は暴落します。93年に宮台真司によるブルセラ論争が起きる頃には、評判から一時的に急激な広がりを見せますが、終息に向かいます。もちろん、マニアはいますから持続はしていますが、かつてのようにブルセラ・ショップが乱立する、歌舞伎町にはそれこそ何軒もある、そんな時代は終わりました。
 まぁ、この手の風俗はマニアでなければ分らんですな。
 この後のことを付け加えておきますと、94年から97年には援助交際(エンコー)が大ブームになります。ルーズソックスをした女子高生達が、食事の相手で5千円、オナニーを見せて2万円、ウリで5万円、愛人契約で30万円。バブルが崩壊しても、バブルが崩壊したからこそ、というべきかもしれません。時代はテレクラから出会い系サイト(地獄編を参照)に移っていきます。


性のコスプレ=イメクラ
 バブルが終わると、風俗はキャバクラに統合される雰囲気があります。その意味では風俗が多様性を保持していた最後の時代です。下の写真は別冊宝島「歓楽街攻略読本’98」から取ったものです。ここにはヘルス・性感、イメクラ、ヌキキャバ、ピンキャバ、ランパブ、ファッションヘルス、ソープランド、ショーパブなどが全国の歓楽街ごとに店を紹介しています。この中身の違いなんかは、何となくは分かりますが、ほんとにどうなのかは分かりません。

歌舞伎町「新宿女学院」                   名古屋「プリティプラネッツ」

仙台「レースクイーン」                               池袋「ぱっくう」