粗食・メタボ・禁煙〜清潔地獄〜

 不況により気分は急激に縮み上がっていきます。節約志向が覆い始めます。バブルの反動です。無駄を叩き落そうという感覚から、贅沢を排除し清貧に気分が切り替わっていきます。

 そしてグルメから一転、粗食に志向が変わります。粗食に関する本がベストセラーになります。人間てのは面白いもんですな。これが健康ブームに接続します。最初はこのセイシュンの食卓でした。若者の方に最初に出てくるのも、お金の余裕がないからでしょうか。相当に貧乏臭い話からでした。

 
 次は、この粗食のすすめでした。こちらは健康にも良いが謳い文句です。


 バブル時代から中高年の体重増加が話題になりつつあったのが、ここにきて粗食ブームとあいまって、メタボ(メタボリック・シンドローム)という言葉が世上に登場してきます。アメリカ人に時折、見られた極端な肥満、今では超肥満という言葉もできましたが、それが日本でも時折、見られるようになったことが、この症状に強い注目が当り始めます。アメリカでは肥満が原因で出世できないとか言う噂も強く流れ、健康ブームがやってきます。


 健康グッズが不況にめげずに流行します。ぶら下がり健康器、ルーム・ランナー、エアロバイク、フィットボール、ダンベルなど、それこそこれでもかという状況は現在も変わりません。皆、続かないものですからリサイクル市場に健康グッズが溢れていきます。そういえばこの頃から体脂肪が問題になり体脂肪が測れる体重計も大量に出回るようになりました。不況の真っ只中にあって肥満の心配をするという、なかなか世界的にもない事態が生れます。


 多分、この反動なのでしょう。芸能界ではデブを売りにした芸人が湧き出します。石塚英彦(175cm/125キロ前後)、パパイヤ鈴木(174cm/100kg)、松村邦洋 (164cm/135キロ)等々です。


 この健康ブームは、バブル時代からあった清潔ブームを後押ししましたし、禁煙ファシズムと言ってよいほどの禁煙のキャンペーンによって、喫煙者は追い詰められていきます。家の中で煙草を吸うこともできず、夜、外に出て吸う姿はホタル族とも言われました。


 長寿の方にも飛び火して、いかに健康で活力のある状態で長生きできるかの健康寿命に注目が集まってくるのも、この時代です。不況とは言いながら、日本の飛び抜けた豊かさは、他国から見れば、どこが不況なのかという状況にありました。