詐欺
 バブル崩壊は財テク犯罪を引き起こしていきます。96年には被害者が6千人、455億円という数字が現れますが、それは前哨戦のようなものでした。不況を誰もが認識するようになる97年以降、大型詐欺事件が連発します。濡れ手に粟の感覚が世間に広がっていたことが大きかったのでしょう。バブル時代の再現を思う人々を惹き付けて金を巻き上げます。バブル期はこういう犯罪ではなく、ゴルフ会員権詐欺あるいは変額保険のように、計画的というよりも、世の中の動きが計画したものとは大きく変化して結果的に詐欺になってしまった、やった本人達も皆が同じようなことをしていたのに、何で自分達だけが・・なんていう気分があったものですが、こちらは明確に、騙して、金を巻き上げてやろうという意思が働く、まさに詐欺です。大分、時間が経っていますので思い出せる範囲内で取り上げます。

KKC事件:経済革命倶楽部事件:山本一郎 1995〜1997年

  「未常識経済理論」なるものを主張し、約1万2000人から約350億円を集めたもので、健康食品、浄水器、「平成小判」(KKCが作ったもの)などの商品を購入するという形式で、会員から出資金を募り、会員は新たな会員を1人増やすことが義務づけて被害者を誘い込み、高配当に釣られて大量の員数を惹き付けたのです。まぁ、形を変えたねずみ講です。

主犯の山本一郎とその妻:資料:フォーカス96.8.26号

オレンジ共済組合事件 友部達夫1986〜1996年
 参議院議員友部達夫が係ったことで事件は大きくなりました。上記の友部百男は次男です。「オレンジスーパー定期」という年6〜7%もの配当を謳った商品を出し、約93億円を掻き集めて選挙資金などに流用しました。

法の華三法行福永法源 1987〜2001年
 福永法源による新興宗教を基盤とした霊感商法による詐欺事件。「最高です」と叫ばせるパフォーマンスで有名。95年には信者総数10万人を豪語。2000年に逮捕。被害総額600億円。
天声大門


和牛預託商法 相田勇次 2003〜2007年
 これは単独の犯罪ではなく和牛の里共済牧場、あさぎり高原共済牧場などと名乗る17社が全国的に行った詐欺で、牛の飼育、販売、その請負などを表向きの事業目的とする会社の役員らが、 和牛預託オーナー募集名目に金銭を騙し取るため、顧客にパンフレットなどを郵送し、「預託契約金250万円、期間2年、予定利回り7.4%」などと嘘を言い、中でもふるさと牧場は約1万4,000人から 約387億円を騙し取ったもので相田勇次はふるさと牧場の主催者です。

 和牛預託商法での最大規模のものは
安愚楽牧場に関するもので、三ヶ尻久美子が主催し、「繁殖母牛に出資すれば毎年生まれる子牛の売却代金で多額のリターンが望める」という触れ込みで、出資者から金を集めるオーナー制度を運営した。栃木県、北海道、宮崎県などで38ヶ所の直営牧場、黒毛和牛をはじめとする肉牛13万3,386頭(預託農家346戸分を含む)を飼育していた。出資者は7万3千人を数え、負債総額は4300億円であり、かの豊田商事事件をも上回る被害が起きています。広告塔となっていた海江田万里氏も告訴されています。

八葉グループ事件田所収1999年〜2003年
 健康食品の代理店になれば商品の販売利益の配当が得られ、1年間で出資金が2倍になる」などと謳い、マルチ革命と称するマルチ商法で約5万人から1500億円近い金を集めた事件。被害者も加害者も創価学会員という事件。この事件の顧客名簿は、出資者約4万人の名前、住所、携帯電話番号、口座番号などが入ったCDが、マルチ商法などの業者に一時は数百万円で取引されたと言われています。


円天(L&G事件波和二
 擬似通貨「円天」を作り、年利36%を謳い、5万人、1000億円を集めたとされます。2001年〜2007年


ワールドオーシャンファーム黒岩勇2005〜2007年
 フィリピン国内のエビ養殖事業に投資すれば1年で倍の配当を出すという名目で、匿名組合の形態を採りながら約3万5000人から約850億円を集めたという。

「リッチランド佐伯万寿夫1999〜2007年
 健康食品販売会社でありながら、「財宝を積んだ沈没船を引き揚げる」などといった架空の投資話で、一年で倍になると謳って、1万3千人から537億円を集めたとされています。消費者金融の支店長を抱き込んで、被害者に投資資金を融資までしていたというところがユニークです。

大和都市管財事件豊永浩、安達昌浩
 抵当証券が一時、大流行したもので、85年から販売していたようです。2001年破綻。販売したもののほとんどすべてが紙切れでしかなかったもので、全国17000人から1100億円。被害の大きさから第二の豊田商事事件ともいわれました。

ジーオー・グループ大神源太1996〜2005年
 「自宅で誰でもできる仕事」「月2回給料日」などとうたい、仕事と誤解させて出資を勧誘、他にも年利12%から100%の利息を払うなどと高配当を約束して12000人から480億円を集めたとされます。他の詐欺師と違って肉体美をアピールする癖があったようです。

近未来通信石井優 1999〜2006年
 IP電話の中継局になれば毎月配当が得られるなどを餌に3000人から400億円を集めたとされます。


ココ山岡本間夏樹 1997年
 安物のダイヤモンドを、あたかも高級ダイヤモンドであるかのように説明し高額で販売し、一定期間後に販売価格で買い戻すという特約をつけて将来投資要素を強調していたが、破綻。15万人が被害を受けたとされる。ココ山岡は67年から営業しており、ダイヤモンドの価格が右肩上がりに上昇していたことで、詐欺的な要素が濃厚でありながら発覚が遅れたものです。
 最近、この手の宝飾品は中国やインドの経済発展から値上がりしていて、ココ山岡の商品も、とりあえずはダイヤですので積極的に買いが入っているようです。



金詰り
 金詰りの中で各種のローン広告がスポーツ新聞に掲載されるようになります。それが乗用車であり不動産を担保としたローンでした。ここらについては詳しくありませんが、例えばカーローンはマイカーローンのように購入をローンで払うのではなく、手持ちの車を担保にして金を借りる仕組みです。ここに即金を謳い文句にしていることをみても、よく分かると思います。当然のように返せませんから、質流れ、つまり安い金で車を売り払うことに結果します。不動産ローンもまったく同じです。事務所にこの手の勧誘の電話がかかってきていたことを覚えています。

カーローン
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不動産担保ローン
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