スーパー歌舞伎

 歌舞伎界の異端児、三代目市川猿之助によって、スーパー歌舞伎が形成されるのは、1986年です。猿之助は、祖父譲りの革新的な芸術志向から、1968年『義経千本桜・四ノ切』で「宙乗り」を披露したのを皮切りに、古劇の復活から古典の再創造に取組み、それがスーパー歌舞伎に大成していきます。オペラ、京劇、小劇場など他の演劇スタイルを積極的に取り入れた独自の舞台を創出し、従来の歌舞伎の枠を蹴破って、題材も斬新なら、演出(振付)も空中を飛び、舞台いっぱいどころか、劇場いっぱいに暴れるような激しい動きで、観客を驚かせ、魅了していきます。何より歌舞伎の名場面集のみで構成するのと違って、物語としての一貫性、現代日本語を使ったセリフまわしが若い人を中心に、「スーパー歌舞伎は面白い」と、歌舞伎ブームを引き起こしていったことです。国外の公演もこなし、大きなインパクトになります。私自身は、紹介しながら難ですが、実はTVでしか見たことが無い。へぇ、凄いんだ。何じゃ、このど派手は。そんな感じでした。70年代の頃と違って、バブルもあって、何しろ料金が高いのと、梅原先生って本来は哲学者だし、へんな古代ものに手がけているだけで、劇作家なんてのは聞いたこともないよ。高い金出す価値あんのかなぁ・・。今にすれば失敗したっていうところです。何時でも見られると思うとなかなか見ないものです。

スーパー歌舞伎
1986年「ヤマトタケル」   梅原猛の脚本
1989年「リュウオー・龍王」京劇
1991年「オグリ・小栗判官」梅原脚本
1993年「八犬伝」      横内謙介脚本
1996年「カグヤ」          同
1999年「新・三国志」    横内謙介脚本 
2001年「新・三国志II・孔明篇」  同 
2003年「新・三国志III・完結篇」  同

ヤマトタケル                                       新・三国志・完結編


写真は稲越功一「市川猿之助」

猿之助は2003年に病に倒れて舞台には立てなくなりますが、それ以降も後輩達の手によってスーパー歌舞伎は続けられていきます。