投機〜銀行・保険会社の犯罪:変額保険〜


 銀行業というのは「堅い」商売、銀行マンといえば「堅物」というイメージを壊したのがバブルです。その銀行と保険会社が仕組んだ犯罪的行為として、バブル崩壊以降、糾弾されたものに変額保険があります。

 バブル景気のもとで地価が高騰するに伴い相続税額も膨らみ、いざ、不動産を含む相続が発生すると手持ち資金が無く、相続税を払うことが出来ずに困窮する事態が生まれてきました。これに備える策の1つとして借金をして変額保険に加入する手法が大いに囃されたのです。
 保険を投資信託で運用し、株価が上がれば保険金額、即ち資産が増やせ、また、借金と相続資産を相殺して相続税額が抑えられ、払い渡される保険金は別個の非課税枠があり、相続税の節税にもなるなど、良いことだらけの方法として、銀行が大いに売り込んだのです。
 それに釣られて、相続税の恐怖から、何億円もの膨大な借金をして変額保険に加入する人達が多くありました。私の周りでも、そんな話が結構、出ていましたから、相当な人達が、この株価が永遠に上がり続けるような、リスクを何も説明しない販売に騙され、陥穽に落ちていくのです。

 最盛期には、払い込む保険掛け金を融資する「銀行」と保険契約を結ぶ「保険会社」が連れだってセールスをかけ、年寄り達を相続税で強迫したのです。

 バブル崩壊後は投資信託が大きな損失を出して受け取れる保険金額が目減りし続ける一方で、借金はそっくり残り、契約者を苦況に追い込んでいくのです。株価が下がるにつれて見る見る保険金額が減っていくのを見て、私が早く死んだ方が良いという事か、と問う契約者に担当者が、然り、と応えたと言われ、実際に契約者が自殺する例が何件も起き、「人殺し」と銀行が遺族から罵られてことが頻発します。
 変額保険に加入した結果、土地を失ったり、抱えきれない借財を背負う高齢者が多数発生し、とうとう金融機関の商品説明責任を問う損害賠償訴訟が、それまで考えられもしなかった大銀行相手に、相次いで起こされ、被害者の会が結成されます。

 中でも変額保険を大々的に進めた三菱銀行への非難が集中します。実際、三菱銀行の被害者は訴訟を起こした人だけで226名に上り、全金融機関で最悪で、銀行としては2番目に多い横浜銀行の44人の5倍強、都市銀行の中では富士銀行の38人の6倍近くと、その加害は群を抜いていたのです。三菱銀行と組んでいたのが明治生命で、こちらの被害者数も224人と、他の生命保険会社を圧する数でした。



 銀行への非難は、こればかりではありません。バブル期に無理矢理にでも貸付を行った企業などに対して、崩壊以降、一転して融資の回収に乗り出し、銀行からの融資で運転資金を回していた企業から、貸し剥がしと呼ばれるような強引な取立てを行い、資金繰りから多くの企業が倒産の憂き目に遭います。そして担保の暴落への恐怖から、資金の提供を断る貸し渋りも目立つようになります。

Wikipedia 三菱銀行