ブランド品、特にヨーロッパの老舗ブランドへの志向が強度に強まっていく時代です。シャネラーと呼ばれる上から下までシャネル・ブランドで極める女性たちが出現してきます。ルイビトンの革製品も誰でもが持つ時代へと、男の方も負けてはいません。時計もローレックスを始めとした数十万、数百万のもの、靴も当然のようにブランド、アルマーニのスーツなど、上から下までの値段を合わせると数百万に上るのがバブル紳士でありました。この強度のブランド志向は買い物依存症を引き起こしていきますが、それにはバブル崩壊まで待たねばなりません。


岡崎京子「我買うゆえに我有り」

海外ブランド店の進出


 日本からの観光客の、欧米ブランドショップでの旺盛な買い物意欲に、当初の内は田舎者、成り上がり者と子バカにしていたブランドショップ側も、巨大なマーケットを見出すのです。最も早い例は1981年にルイ・ビトンが銀座に直営店を出店したことです。ただ、バブル時代は、国内で購入するよりも海外で買う値打ちがはるかに高い時代です。そのあたりについては「海外旅行のページで書きました。むしろ堰を切ったように溢れ出てくるのはバブルが崩壊した後です。不況とはいえ、変わることのない買い漁りに、欧米側の不況も手伝って、巨大なビジネス・チャンスを見出すようになり、日本進出が始まります。
 既に百貨店などでブランド店を展開していた化粧品関係、革製品関係、衣料品関係企業は、次々と巨大な直営店を建設し始めます。銀座、表参道、青山は欧米ブランドショップに占拠されていきます。欧米大都市の繁華街とまったく同じ光景が出現してくるのです。彼らは店舗立地を求めて、これまでビジネス街としてファッションとは無縁だった丸の内に、にわかにブランドショップが立ち並び、新しい街を作り出したのです。

丸の内

主な日本進出の流通関連企業
本店 ブランド店
丸の内 アーペーセー(A.P.C.)
  エルメス(HERMES)
  ジャンフランコ・フェレ(GIANFRANCO FERRE)
  コムデギャルソン(COMME des GARCONS)
銀座 ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
  シャネル(CHANEL)
  コーチ(COACH)
  エルメス(HERMES)
  グッチ(GUCCI)
  フェンディ(FENDI)
  シャネル(CHANEL)
  ロエベ(LOEWE)
  ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
  バーバリー(BURBERRY)
紀尾井町 ジャンニ・ヴェルサーチ(GIANNI VERSACE)
  ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)
  ドルチェ アンド ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)
  ビブロス(byblos)
  ランバン(LANVIN)
赤坂 アンナ・モリナーリ(ANNA MOLINARI)
表参道 アール・ニューボールド(R.NEWBOLD)
  アナ・スイ(ANNA SUI)
  ヴァンダライズ(VANDALIZE)
  クリスチャン・ディオール(Christian Dior)
  *ハナエ・モリ(HANAE MORI)
  ルシアン・ペラフィネ(lucien pellat-finet)
渋谷 クリスチャン・ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)
  コズミックワンダー(COSMIC WONDER)
  マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)
恵比寿 グリーン(green)
  ナンバーナイン(NUMBER (N)INE)
  マリテ・フランソワ・ジルボー(MARITHE + FRANCOIS GIRBAUD)
  マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)
代官山 サイラス(SILAS)
  ジャン・ポール・ゴルチエ(Jean-Paul GAULTIER)
  リミ・フゥ(LIMI feu)
青山 アトウ(ato)
  アンダーカバー(UNDER COVER)
  *イッセイ・ミヤケ(ISSEY MIYAKE)
  ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)
  クロエ(Chloe)
  ケイタマルヤマ(KEITA MARUYAMA)
  *ケンゾー(KENZO)
  コムデギャルソン(COMME des GARCONS)
  ジャンフランコ・フェレ(GIANFRANCO FERRE)
  ズッカ(ZUCCa)
  セリーヌ(CELINE)
  ダニエル・クレミュ(Daniel Cremieux)
  バルマン(BALMAIN)
  プラダ(PRADA)
  ポール・スミス(Paul Smith)
  ミュウ・ミュウ(miu miu)
  *ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)
企業 本社 業務
1988 タルボット USA 婦人衣料
ウイリアムズ・ソノマ USA 家庭用品
1989 トイザらス USA 玩具
1990 ヴァージンメガストア イギリス AVソフト
HMV イギリス AVソフト
1991 ブロックバスター USA レンタルビデオ
サブウエイ USA サンドイッチ
キンコーズ USA オフィス・サービス
ディズニーストア USA 雑貨
1992 エル・エル・ビーン USA アウトドア衣料
1993 タイムワーナー USA 映画館
ナイキ USA スポーツ用品
バーガーキング USA ハンバーガー(2001年撤退)
トピーインターナショナル 香港 衣料
エディー・バウアー USA アウトドア衣料
ランズエイド USA アウトドア衣料
1995 ハナ・アンダーソン USA 子供服
タイラック イギリス ネクタイ
GAP USA 衣料
ニーマン・マーカス・ダイレクト USA 通販
トラメル・クロウ USA デベロッパー
1996 AMCエンターティンメント USA 映画館
ピア・ワン・インポーツ USA 雑貨
スポーツ・オーソリティ USA スポーツ用品
スターバックス・コーヒー USA コーヒー
サックス・フィフス・アヴェニュー USA 通販
クラブ・クレアター・ボーテ フランス 化粧品
ブルーミングデールズ USA 通販
UCI USA 映画館
ワーナーブラザース USA 映画館
AMI USA デベロッパー
ガードナーマーチャント イギリス 給食
1997 コールドウォーター・クリーク USA 衣料品通販
タリーズ USA コーヒー
フットロッカー USA スポーツ靴
オフィス・デポ USA 事務用品
オフィス・マックス USA 事務用品/イオンと提携/2001年解消
1998 ルームズ・ツー・ゴー USA 家具
ウォルグリーン USA ドラッグストア
セガフレード・ザネッティ イタリア コーヒー
TGIフライデーズ USA ステーキハウス(ワタミと提携)
1999 ザ・ブーツ・カンパニー イギリス ドラッグストア/2001年撤退
コストコ・カンパニーズ USA ホールセールクラブ
クイズノス USA サンドイッチ
2000 カルフール フランス ハイパーマート/ 2005年撤退
2001 エディ・モネッティ イタリア 紳士服
ウオルマート USA DS /2007年西友を子会社化
2002 メトロ ドイツ 業務用卸
2003 ディーン&デルーカ USA 惣菜(伊藤忠と提携)
テスコ イギリス スーパー:シートゥーネットワーク提携
ネイサンズ USA ホットドック(FF)
ペイレス USA 靴(ニチメンと合弁)
インターブリュー ベルギー アイリッシュパブ(ベルジアンビアカフェ バレル)
2004 サックス・フィフスアベニュー USA 百貨店
フォートナム・アンド・メイソン イギリス 高級食材(三越との合弁)
2005 イケア スエーデン 家具