3.将来の流通像

1)前提となる考え方

(技術革新)

 生鮮食料品の流通は、生鮮という商品自体が加工品化していく流れは、現在の食生活の状況から止められないでしょう。従って生鮮品(ホールもの)というマーケット自体は、チルド化などによって産地段階でも縮み、大都市の流通段階では大幅に減少していくでしょう。現物として上場される商品は数量的には大幅に減少しますが、商品の種類、取引の種類は膨張するでしょう。
 技術革新は、商品については、より美味しいもの、より清潔で保管が利くものを追求していく形です。流通については、全国流通商品については高速長距離輸送による産地の遠隔化がより一層進み、 それと同時に、遠近距離から小量商品(地域流通商品)の輸送革新が追及されるでしょう。消費地における物流センターの効率化は、容器やパレットの活用で高速化と高度化が進むと考えます。
 情報ネットワークの高度化は、特殊な商品需要を掘り起こしていき、それらも小量輸送がコストダウンされる中で、マーケットに大きな影響を与えていくと考えられます。


(温度帯と流通)
 食品の流通は、温度管理される商品と温度管理は必要としない商品の2つの流れが形成されると思いますが、温度帯別流通が構築されるかというと、物流技術が高度化していますので、分離されるかどうかは微妙です。異なる温度帯の商品を1台のトラックで輸送することは、現在でも行われていますから、コスト・パフォーマンスの問題として分離される部分、多分、産地から加工場までと、加工場から流通拠点、分離されない部分は、流通拠点から最終販売業者までと、変換するポイントの流通拠点に高度な品揃え、仕分、温度管理する物流拠点が形成されると考えます。

(全国流通と地域流通)
 青果については全国流通商品と地域流通商品とに分離してくると思われます。全国的に知られたブランドも、供給能力が無ければ地域流通商品となるでしょう。食肉では流通の形態は、このように分離されていることが参考になると思います。全国流通商品は国産と限りません。むしろ海外産である可能性が強くあります。人件費と土地代の問題で、果たしてどれだけの商品が国産の中で生き残れるかがあり、大規模化の中で輸入品と競合できるコスト削減が求められます。特に国内での物流経費の削減は大きな問題です。
 卸でも小売でも売上のベースは全国流通商品になりますが、事業の特徴づけなり、個性は地域流通商品を如何に扱えるかの競争に、今もなっていますが、今後も強まっていくと思われます。
 水産物については、不漁などから全国流通商品=大衆魚の変動が激しく、高級化つまり地域流通商品化してきています。大衆魚は海外頼りの面が濃く、商社流通が重みを増しています。市場は地域流通商品を主体に構築されていくことになるでしょう。