3.将来の流通像

2)流通=物流拠点

(広域流通における可能性)
 福岡県と佐賀県の県境の鳥栖に、数年前にトラック業者の人が広大な青果用の物流センターを建設しました。産地から、そこに持って行けば九州管内、どこでも廉価で配送をしてくれるというので、青果の卸売業者の間で評判になっていました。非常に面白いなと思うのは、温度管理され、方面別に仕分され、混載で各地に輸送されるという機能です。

 九州は、各県共に地場の産地を抱えていますが、県内需要だけでは消化しきれない量はあるけれど、全国に出すほどの量は無い青果物が沢山あって、しかも、それなりの個性があり、どこのものは美味しいとか、そういう評判は九州管内ではある。小量多品種で、時期も微妙にずれる。こういうものは意外に、現在の流通形態に合っていないのですが、九州全域を睨んだ形の物流拠点が、一トラック業者によって建設されたことです。

 九州圏道路網の核だが、周辺は何もない地域で、当然、市場でも何でもない。しかし、九州各県の青果卸にとっては、検討するに充分な拠点と認識され、使用が始まっています。これが成功するかどうかは、分かりませんが、公共でも何でもない、しかも大手でもないトラック業者が、こういうことを始められるというのが大事な点です。
成功すれば青果物の物流のハブとなり、農協なども、わざわざ大阪や東京に、自分で調達したトラックで運ぶよりも、はるかに経済的となるでしょう。この拠点が機能してくれば、倉庫機能も、加工機能も、追加されるでしょう。


 中小の卸も、こういう拠点さえあれば、別に自分で物流をしなくても、充分なほど商売を組み立てることができる。拠点で商売をしなくても、拠点に指図さえすれば、物流サービスが受けられるとすれば、それで充分だという事です。その効率性、サービス水準は、大手の卸が自身で整備する以上となる可能性があります。
 このような物流ハブの構築は、これからの生鮮食品流通の1つの可能性を示しています。ハブとなる条件とは何か、単にコストが低い、サービスが充実している以外のマーケット・ニーズがあることが、鳥栖の例です。


 下記はセンコー(大阪の物流事業者)が、イオン向けの専用センター(北関東、野田)に建設するものです。地上3階建て、延床面積は82,878u(25,070坪)、敷地面積は67,612u(20,453坪)。大手スーパー向けには、食品卸あるいは物流事業者が専用センターを建設することで、合理化を図る形です。これは上場しているスーパーでは急速な広がりを見せています。これに中小スーパーの対抗が注目されるところです。