(3)建値市場

3)建値市場における荷受会社のあり方

 荷受、それも建値市場に入っている企業について考えます。荷受会社は、厳しい競争、慢性化した売上の低迷から利益を絞り出すのに懸命ですが、法規で守られた独占的な地位、入金の保証があり、特に建値市場においては、労せずして商品が集まる構造があり、集まりすぎた商品の始末=売り先の確保に、仲卸分野への進出を図る状況で、仲卸は大手スーパーが買参権を使って仕入を行うことから、その分が削られ、荷受の進出により削られ、極めて厳しい状況にあります。

 荷受会社は市場法によって作られた、集荷を専業とする人為的な独占企業ですから、競争の中で自ら規模拡大を図ってきた事業体で無いということが第一点です。荷受会社の本社を含めた多くの施設は公共のものであって、荷受会社の資産は売上規模に比べて極めて小さいという特徴があり、荷受は自らの力で施設整備しなければならないという意識は、今でも一部に限られ、ほとんど持ち合わせていないという特徴があります。

 荷受会社は基本的に出荷者のエージェント(代理店)であって、本質的には自分で仕入れて自分で売るという商売の原点的な機能を有していないことが二点目です。出荷者の委託は、自分で仕入れるという感覚からは、ずれたものであり、販売面も仲卸に最低でも半分近くは依存し、仲卸からの販売代金が一週間以内には入金されるという、非常に恵まれた形の商売になっていることです。
 荷受会社のスーパーへの販売は、仲卸への販売の数倍以上のコストをかけ、利益はほとんどないか、赤字という事実に目を瞑っています。荷受会社のスーパーの販売は仲卸からの収益に依存しているといって過言ではありません。このような荷受会社の経営は、明らかに歪んだものであり、商売とはとても言えないものでしかありません。
 荷受にとっての問題は、行政は施設整備の熱意は、ほぼ消失したと言ってよいことです。荷受会社は流通環境に合わせて投資を行わなければならず、今後は、インフラ整備の競争になると考えます。
 インフラ整備ができる荷受は限定されますから、ここに第三者の物流業者が市場内外の施設整備に参入すると思われます。現在も築地市場などでは冷蔵庫や市場内外の輸送を担っているのは物流業者です。これが他の市場にもPFIなどの名目で広がっていくでしょう。
 このことは市場が公共機関で整備される以前の状況、物流インフラを所有し管理する事業体と、いわゆる商人、卸売業者とが分離、形成されてくる状況を予想することができます。
 物流インフラを持つ事業体は資本力が必要ですから基本的に大企業です。一方、商人は昔も今もリスクを背負い、才覚によって自身を立たせていく形ですから、それほど大きな組織なり資本力を有する必要はありません。もちろん商人とはいえ、現在の環境下ではインフラをまったく持たないことはありえませんから、商人を育てることに力点を置くのか、これからどういう商売を発展させたら、物流情報インフラを最大限活用できるかを考えるかの違いであると言えます。

 さて問題は、建値市場における荷受とは何かです。大きなプレーヤーであることには変わりません。分割はありえませんが、現在の荷受以外にプレーヤーとして大手の卸あるいは商社を参画する形が予想されます。
 建値市場は、建値の指標となるブランド化された地域流通商品を、せりなどで価格形成すると共に、全国流通商品に対して先物取引による価格形成を行う形を想定すると、委託、つまり産地のエージェントという役割は大幅に減少し、荷受は自ら構築した物流情報インフラを使って商売を展開していくと考えられます。一方、仲卸などの中小卸は、大手卸の間隙を突く形で産地との結びつきを深め、独自の商品で大手卸に対抗していくでしょう。