(3)建値市場

4)先物取引の可能性

 我が国の生鮮市場は当たり前のように現物市場、現物を見ての取引になっています。水産関係は、大部分の冷凍品、加工品はサンプル取引、青果では現物を見ない取引がかなり横行しています。生鮮品においても、スーパーでの取引は週間値決めで行われ、一週間固定した価格で取引が行われていますが、毎日の価格変動を仲卸の裁量の中で消化しているとは言っても、リスクの消化手段が仲間取引と在庫という状況は、商売として問題があることと、スーパー向けに先取りを行っていますが、これも正常な現物取引とは言えません。その他、商物分離、つまり商品が市場に入ることなく、需要先に産地から直接、届く取引で、スーパー関係は言われているほど多くはありませんが、加工業務用では広く行われています。

 これは明らかに先物取引の需要があることを示しています。生鮮という昔の概念が壊れてきているのです。施設栽培が増大したこと、種や栽培方法の技術が進歩した関係から、出荷量、出荷時期のコントロールを産地が積極的に行っている、人為的な出荷コントロールにより、極端な出荷量の増減が起き難く、市場の価格の暴騰、暴落によって産地が著しい被害を被ることが減っていることです。
 需要者の方も、冷蔵庫が普及し、数日分の貯蔵を行うようになったことも、需給変動の幅を狭め、暴騰暴落が起きても数日で収まり、平準化します。
建値市場は先物取引を導入することで価格形成を、現物価格だけではなく、より広範な需給調整に役立てる時期に来ているのだと思われます。仲卸は先物取引を使って、より幅広い需要に応える役割を果たすことが求められているのです。
 先物取引を全品目に一律的に当てはめることはありませんから、一部に導入しながら試行錯誤すべきことです。

 建値市場の運営者は誰かという問題があります。東京証券取引所のような組織形態を考えることができます。行政ではありません。行政では新しい取引を作り出すことはできないし、市場の繁栄を志向することもできないからです。
 この新しい組織が証券取引委員会のような組織を内部に持って、絶大な権限の下に公開・公正・公平を保証する方法です。
 先物取引が完全な答えではありませんが、取引の形が歪み、スーパーが値決めする現状を、ある程度、正常化できるでしょう。行政では投機の不安があるでしょうが、リスクヘッジという意味で、現物取引が常に良い結果を出すとは言えず、先物取引があった方がよりスムーズで、リスク回避ができるのではないかと考えます。