(3)建値市場

5)物流ハブ

 現在の建値市場、築地、大田、大阪などは、全国流通の核=物流ハブとなっているため、取引対象以外の商品も搬入搬出され、巨大な物量を処理しています。これらは卸売業者が関与しておらず、全国的な物流ネットワークが構築、運営されている。これは荷受会社の怠慢がもたらしたもので、支配力が衰えている証左であり、全国的な流通ネットワークを設計する力を喪っていることを意味します。

 この巨大物量の負担は都市に大きなストレスを与えています。市場経営からみれば、収入は入らずに、施設維持にはコストがかかるという問題です。行政では都市内の物流負担を軽減する為、都市の外周部に市場や物流センターを建設、商物分離取引の推進などを行政が試みましたが、成功しませんでした。成功しなかった理由は、別の場所に拠点があると、建値市場に横持ち輸送を行わなければならない、市場の駐車場等を使えば費用がかからないというメリットです。

 この物流ハブという機能を失えば、建値市場の地位も大きく揺らぐことになります。物流ハブを、ある面では積極的に利用しなければ、地位を維持できないと同時に、税金で支える限界もあります。ある種の優遇措置をとりながら、対応していく形であり、管理の網をかぶせて、効率化と安全衛生管理を進めていく形を志向しているのが築地移転の新市場構想ですが、果たしてこれが成功するかは、微妙な問題です。
 というのは、築地市場で物流ハブを実際に運営しているのは正門業者といわれる輸送業者ですが、正門から売り場までの距離は短いですが、最大でも300Kgしか積載できないターレで運んでいる為に、横持ちはないと言いながら、実は非常に大きなコストをかけていることです。温度管理もされていないことも問題です。築地市場という狭隘なスペースがもたらしている問題であって、物流ハブとしての必然的なものではありません。より合理的な仕組みがあれば容易に移動するのが物流ハブです。

 築地市場でも青果は、物流ハブとしての機能は小さいですが、湾岸に倉庫を借りて、そこから関東圏の子会社への輸送を行っています。大田市場は、県連が市場近郊に倉庫を持ち、そこから大田市場以外、関東圏への輸送拠点となっています。他と違うところは、自身が輸送するのではなく取りに来させる形であるくらいです。青果の場合、物流ハブ的な機能は集中化されておらず、埼玉の地方市場は広大な面積を所有しているために実質的に北関東、東北の物流ハブを担っています。
 輸入品は港湾地区の倉庫が拠点であって、市場に出荷するものはわずかで、市場業者が仕入れる場合でも、需要者に直送される、卸は指示を出すだけのものです。

 このような物流ネットワークを主体的に全体的に構築している事業者は、おりませんが、それでも目に見えない形で構築されていることです。