2.現実の市場経営


(2)卸売業の形

(荷受)

 大都市市場における荷受は、現在、自然に商品が集まってくる状況にありますから、産地との信頼関係が薄くなってきており、機械的な処理が強まっています。大量に集まる商品の始末の為に、量販店への販路開拓や地方市場への販売を強化する流れは当分、変わらない。営業利益率は低下の一途であり、経営基盤は一部の優良地方卸、大手仲卸より劣化しています。
 このような中で施設投資競争に入ってきているために、大都市市場での荷受は、一部では合併を志向し、場内で独占的な立場で販売することで利益確保を狙う形です。これに反発する形もあり、資金繰りの関係もあって、仲卸は直荷、産地直よりも、他市場の卸から荷を引く形が増えてきています。
 大都市市場の荷受は、地方市場に展開している子会社でスーパー対応を行い、本社の集荷力を使って、スーパーへの販売分は子会社に転送する形が構想され、一部、実施されています。本社での販売は仲卸、買参対応に絞り込まれ、表面的な扱い量は変わらなくても実質的な扱い量は減少していくことになります。
問題はスーパー対応の子会社ですが、スーパーのバイヤーにきちんと、ものが言える営業がいるのか、あるいは合理化されたシステム構築ができるかがあり、競合する周辺の卸、仲卸あるいは納入業者に対抗できる運営が、可能かどうかがあります。本社が仕入を担当し子会社が販売を担当する形となれば、商売として巧く構築できず、本社の利益を吐き出す形になっている荷受もみられます。
 大手卸として、スーパーなどへの提案は施設整備しかない訳ですから、苦しい中でも投資を行っていますが、低収益を招き、打破する方法が見えないことが辛いことです。
 スーパーへの販売強化は、荷受が「商売」として、自分で仕入れて自分で売るという形が構築できるかがあり、これまでの経営体質の抜本的な改革ですから、やりきれる会社とやりきれない会社が出てくるのは当然です。本当の経営力を巡る戦いの火蓋が切って落とされているのです。

 この中で、地方卸が大都市圏のマーケットに参戦することになれば、経営環境は厳しいものになります。それに加えて、荷受会社、即ち産地の代理店という地位は、法的にバックアップされているという事が基盤であって、今後は産地の方が、どのように荷受会社を見るか、本当に産地の為に働いてくれる会社なのかどうかが問われてくると思われます。
現在の建値市場の荷受が、商品が労せずして集まるということに胡坐を掻いていれば、やがて何かが起きてくるでしょう。赤字に苦しむ荷受会社に産地資本が入ることになれば、産地の支配が強まる可能性もあります。地方卸が地場産品の集荷の核となってくれば、荷受会社の集荷体制に大きな綻びが出てくるでしょう。


(仲卸)

 仲卸は、現時点では荷受の、数倍の過酷さの中で生きており、生業的な仲卸は相当に淘汰されてきました。大手の仲卸は現時点でも複数の市場に店舗を構え、総合的な供給力を生かして、荷受会社と対抗しており、凌駕する企業も多くあります。特に地方の仲卸は産地開発、商品開発に手をつけていますから、一層、その傾向が強く出てくるでしょう。
 中小仲卸は、業務用に活路を見出す形でしょう。特に加工サービスを強化して独自の商品作りを行っていくと想定されます。商品化が成功すれば、それを足がかりにして、再度小売販売に挑戦する形となるでしょう。
 中小仲卸は、核となる技術、目利き、加工、商品作り、顧客への提案力を足場に自身のポジションを踏み固めていくと思われます。情報物流は仲卸では限界がありますから、整備する物流業者などのものを利用する形でしょう。

 課題は市場に、店舗を置く理由でしょう。場内店舗はかつてほどの意味はなくなっているとはいえ、信用の基盤になっていますが、商売の本拠としての意味が低い。建値を作る、マーケット・メーカーとしての役割を行政が評価し、場内で商売することを求める、つまりお願いする立場に変わっていくことができるかというと、多分、できないでしょう。