食品卸売業の業務



     ◎受発注

     ◎商品コード管理

     ◎顧客/取引先管理

     ◎仕分/ピッキング

     ◎倉庫/在庫/現品管理

     ◎輸送システム

     ◎配送センターの建設

     ◎配送センターの運営


 卸売業組織は業務系と呼ばれる組織があり、営業部門の縁の下の力持ち的な役割を果たしています。一般のメーカーなどの営業事務に相当しますが、物流部門まで含むのが通常です。かつては経理部門が行っていた客先との契約、受発注から、精算に関わる業務が独立してきた形で、物流部門もかつては営業部隊に入っていたものが、営業をして注文を受けて、納品する形が分離してきて、商物分離が進んだことで、業務部門が形成されてきました。従って比較的新しい組織形態です。多くの卸売業では営業が最優先され、業務は営業が取ってきた注文をこなすだけという一段、低い位置に置かれています。その重要性をなかなか営業が認識できないことも起因しています。

 卸売業の仕事の中で唯一生産性が問われるのが、業務の仕事ですが、数ある卸売業の中で、自社の生産性を計測している事例を知りません。もちろん組織の内部では、処理が遅いのではないかとか、注文から何時間以内に配達するとかを目標にして取組む事例もありますが、正面から経営課題として取組むのは非常に稀というべきです。欧米に比べると、我が国の卸売業などの流通業の生産性は驚くべきほど低く、生産性について理解されていないことが多くあります。

 何故かというと、業務、情報処理にしろ、受発注にしろ、輸送問題にしろ、在庫回転率にしろ、すべては営業が行っている顧客に向かうサービスの標準化、規格化が避けられない課題であるからです。非常に多くが納品書にしろ、請求書にしろ、客先が指定する様式での提出が求められます。受発注においても、締切時間を設定していても、その時間を超えて発注してくる客は後を断ちません。業務側の方で断っても、担当営業に圧力をかけてきます。営業としては会社の規則でも、相手が大事なお客さんでは、業務に何とかしてくれと言ってくる。お願いではなく命令で降ってくることもあります。輸送、納品でも同じです。いくらでも割り込んでくることも、約束を違えた返品もあります。
 規格、標準化には強い意志、会社の強い意志、マーケットの中で相当にシェアを持っている、競合先による割り込む隙が少ない場合しか出来ないのです。そういう条件の中で生産性を比較する意味があまりないといえばそれまでです。

 ただ、業務の役割が、近年、段々、見直されるようになった、コスト・センターである業務の費用負担が営業の我侭を通していたのでは、とんでもない数字になることが意識されたのでしょうか、次第に重要性が意識されるようになってきた。まぁ、この十年くらいの話なのですが。コンピュータ化の進展や、物流の品質や効率など、業務の質によってコストのかかり方が違うということもまた、次第に認識されてきました。

 その一方で、業務システムという異形なものが卸売業の中に入り、大きな力を持つことで、商売という本来のものからずれた部分が作り出されたことです。システムの最も発展した形は官僚制であると言われるように、業務が営業の足を引っ張るという事態が起き始めています。システムは効率性を要求するので、効率に反する行為に対して抵抗します。その抵抗は会社の方針として排除されると、システムはこの認められた例外規定をシステムの中に取り込もうとします。担当もシステムに乗っている方が楽ですから、さほど続かない取引でもシステムに繰り込まれ、コストが増大し、システムは複雑化していきます。このシステムの増殖作用こそが、制御できないものとして立ち現れてきています。

ここでは業務における基本的な仕事内容と考え方を示し、営業に関わる契約などの法的な対応は総務の方に書きます。コンピュータ・システムに関わる部分は、マネジメントの流通技術にあります。