食品卸売業の経営〜7つの特性〜

 卸売業は生産と消費の中間に位置し、数多くの変化を肌で感じる立場にあり、生産・消費の情報をそのまま新しいビジネスに繋げていくことが可能です。生産が土地や技術などの場所や人的な制約があり、小売においても店舗という足枷がある中で、卸売業はフットワークの良さで抜きん出るものがあるからです。
 リスクを背負って商売を組立てていく、マーケットを作ることが基本的な機能であること、様々な形でネットワークを築いていることも、有利な点になります。食品卸売業という立場で見た時に、非常に幅広い分野、新製品、新業態が次々と発生しており、数多くの部分で卸売業が介在する、支援する形態がみられます。他の卸売業でも同じです。成熟したマーケットとみなされる食品にしても、あるいは衣料品にしても、流行を作り出す、変化を自身で作ることも、変化に乗って新しい分野を作ることも、大いなる可能性があります。
 このように卸売業、問屋は、個々の営業マンが持つ、強固な、仕事を通じて作られた信頼、お金を儲ける、面白いことをやるチャンスという強固な絆で結ばれた同志=ネットワークを使って、有望な商品、有望な企業を育て上げ、大きなビジネスに仕上げていく機能があり、これが卸売業自体の活性化に結びついているのです。

 いかなる形でマクドナルドが成長したか、いかなる形でファミリーレストランが成功を収めたのか、回転寿司はどうやって食材を調達したのか、スーパーの惣菜はどうやってあれだけのボリュームになったのか。すべてに物語があります。脚光を浴びている企業の担当者や役員が頑張ったから実現できたのではないのです。ガイヤの夜明けやら、NHKの特番で見せる世界には、表に出ない物語が隠されています。問屋というのは、常に黒子であり、黒子の意味をよく知っている。

 若い人には分かり難いでしょうが、表に出て注目されることは、ビジネスには不用であり、意味がない、価値がないことなのです。何時のまに、社会の隅々にまで商品やサービスが浸透し、当たり前になっていることが、ビジネスの根幹なのです。

 さて、食品卸売業には農畜産業、漁業、食品メーカー、小売業、サービス業にはない特性があります。この特性は食品に限らない面もありますが、この業の持っている本質を示すものです。この特性は私が考えたもので、どこかの教科書や大学の先生、あるいは卸売業を実際に営む人が言ったものではありません。その点を考慮しながら考えてみてください。



   マーケットを作る

  
リスクを背負う

  
変化をチャンスとする

  
個人の力

  
自分で仕入れて自分で売る

  
貸し借り

  
保守性と閉鎖性