地場産品

地場産品の特質と定義


ア、地場産品に対する関心

 大量生産・大量流通・大量販売という高度成長期の論理から、豊かさを基調とする社会へと変貌し、本来の美味しさ、みずみずしさを求める中で、地域で獲れる生産物に大きな関心が寄せられるようになった。これを契機に80年代に地産地消運動が起き、地域起しとして活用しようという行政の支援もあって、大いに発展し、今日に至っている。
 現在はブームというほどのものはないが、消費に根付き、農協や漁協、産地市場が経営する直売所や幹線道路沿いの「道の駅」は、活況を呈している。全国の直売所を紹介する直売所ドットコムがある。

JAかながわ西湘の直売所「朝ドレファ〜ミ♪」小田原箱根新聞
世田谷区の農家の庭先の直売所
島根県西郷のお魚センター

イ、青果物と水産物

 青果物、中でも野菜は地産地消運動の大きな柱であり、80年代の有機野菜ブームの頃から始まった長い取組みがあり、消費者にも、流通関係者にも深く浸透している。スーパーにおいても目玉商品として、あるいは他店との差別化商品として地場野菜コーナーを作り、販売の大きな基点ともなっている。

 水産物の場合、地産地消運動の広がりの中で、地魚に対する関心が高まり、観光地などに地魚を売りにした飲食店などができてはいたが、収穫が不安定で規格も不揃いということで、普及は遅れ、流通関係でも、漁港に近いスーパーを除くとほとんど浸透できていない。
 その一方で、釣り魚を中心にブランド化が90年代に漁協を中心に進み、高級魚として通販を主要な販売手段として全国に出回るようになっている。
 このように水産の場合は地域の狭い範囲で鮮度の高いものを購入する形ではなく、高品質で、供給が不安定であることも売り物にした販売戦略が採られている。その意味では、スーパーやチェーンレストランのような標準品の大量流通型のネットワークとは別のものが形成されているとも言える。


ウ、地場産品の定義

 本調査では地場産品を地場ものあるいは地ものと言い換え以下のように定義した。


  青果物における地場ものの定義

    地場ものとは、県内あるいは圏域内で収穫される青果物を指す。


  水産物における地もの(地魚)の定義

   地ものとは、県内あるいは圏域内の漁港から沿岸漁業により、定置網や小型底引き網、釣り漁によって水揚げされた水産物を指す。