卸売市場と加工調製(コンシューマーパック)


スーパーの動向

 生鮮食料品卸売業は、この数十年の間に業容を大きく変化させてきた。その主因となったのは、専門小売の衰退・スーパーの伸張であった。
今日、専門小売店は一部、大都市圏に残るのみで、小さな存在になってきている。小売市場は大規模チェーン同士の競合、あるいは新興の食料品中心のローカルチェーンが、大規模チェーンのマーケットを奪う形であり、ローカルチェーンも、従来の県域を越えて他県への進出も盛んになってきており、競争関係はより激しくなっている。
90年代から2000年代にかけて、過疎ともいえるような地方都市に、巨大なショッピング・センターを建設してきた大手チェーンは、近年、デフレ不況が長引く中、人口の大都市圏への回帰や高齢者層の増大などを受けて、大都市圏の中に中小規模の店舗を多数配置する方向に出店戦略は転換してきている。

 地方の大型ショッピング・センターの場合、バックヤードも充分に取れることから、加工調製機能は従来どおりの店内加工で対応可能であるが、大都市圏の場合、バックヤードがほとんど取れないことから、アウトパックの進展を今後、意識する状況にある。
 スーパー同士の競合と、デフレの影響もあって激しい低価格競争が行われる一方で他店との差別化競争も繰り広げられている。納入業者のスーパーへの納入競争は熾烈なものとなっていることから、卸・仲卸は受注の不安定化と利益の縮小に直面している。


市場業者の動向

 サービスレベルの高い市場外との競合の中で、便宜性や品質の高さ、経営安定性などの市場の優位性が、次第に喪失してきており、卸・仲卸の経営は大きな曲がり角に立っている。中小卸は商品供給力、提案力、資金力などの面で大手卸に比べて劣勢であり、中小卸の廃業、撤退が相次いでいる。この中で卸・仲卸の市場法が定める機能分担も、流動化しており、卸の仲卸分野への進出が相次ぐと共に、仲卸も直荷引きを強めるなどが行われるようになっている。
 このことから生鮮食料品卸売業、中でも青果、水産の卸売業は将来に対して強い不安を抱くようになっている。図は本調査における回答企業の今後の見通しである。楽観的な見通しを持っている企業は少なく、「将来性が少ない」という回答が水産で4割弱、青果で3割弱あり、「限界である」という回答も、多くはないがある。アンケートを発送した中にも、宛先不明や廃業なども多くあり、厳しい経営環境である。



加工調製への取組み

 加工調製を引き受ける狙いとしては「顧客サービス」が青果、水産共に第一位にあがっており、自社の利益というよりも、対顧客を意識したものである。中でも青果は第二位に「安定的な受注の確保」があり、厳しい受注競争下、スーパーからの要望に応えなければ、受注できないことが大きな要因であるだろう。それに比べ水産は「付加価値のアップ」を第二位にあげており、商品化の意識が高い


 加工調製の課題としては、青果、水産共に「量の変動が大きく管理が難しい」を第一位に回答しており、「単価が取れない、赤字」が第二位になっている。その他、水産では「設備投資・管理費増」、「衛生管理の負担が重い」が高い回答率である。