卸売市場と加工調製(コンシューマー・パック)

 本事業の実態調査結果から代表的な事例を写真画像を中心に取り上げる。

青果
 青果の場合は写真だけでは、行っている作業自体に変わりがない場合が少なくないので規模が見え難いが、その点を想像で補いながら見ていただきたい。ここでは加工調製のみにスポットを当てているが、物流システムの一環にあることに注意していただきたい。輸送システムを持たない加工調製は意味ないと断言する卸がいること注意していただきたい。

消費地市場:仲卸の取組み
 消費地市場の仲卸は店舗の中や、その周辺でコンシューマー・パックを行っている事例を多数、見ることができる。多くが10人未満で、オープンスペースで行われている。扇風機程度で温度管理や衛生管理面での工夫は少ない。鮮度を重視したもので、入荷してから納品までの時間は数時間である。普通の販売が終わり、パートの女性も含めて全員が取組み、短時間の作業である。1千パック程度ではないかと思われる。
仲卸売り場内でのコンシューマー・パック

 大型仲卸の場合には、市場近傍に配送センターを装備する例があり、センター内の加工場でコンシューマー・パックが行われている。
 この場合はスーパーへの納品形態にもよるが、一日2便体制が行われるケースでは、午前の便と午後の便で、午前の便には前日にパックされたものが納品され、午後便には当日午前中にパックしたものを配達する場合が多い。作業は仲卸の店の場合と異なり、終日、行われ、冷房の利く部屋でパック作業は行うが、しかし、それは商品のためというよりは、作業する人のためである。夜間、商品は冷蔵保管される。

 個別の仲卸がコンシューマーパックするのではなく、共同で行う例がある。例としては、非常に珍しいのがD市場である。D市場の卸(荷受)が資本を出し、卸の子会社であるが、あくまでD市場の仲卸のための施設で、市場内にある。
 仲卸はコンシューマーパック作業を委託し、製品をスーパーなどに納入するもので、個々の顧客の仕様に合わせてコンシューマーパックを行う。仲卸は店が狭いこともあり、場内で作業は行わず、すべて委託している。
 よく整理された作業場であり、照明も明るく、合理的な配置であり、大きくはないが冷蔵庫を持つ。


消費地市場:卸の取組み
 消費地市場の中央市場の卸の場合は、仲卸の反発もあって、取組み事例は多くない。それでもB社の場合は、子会社でスーパーのベンダー業務を行っている関係から、大規模施設でのコンシューマー・パックを行っている。作業自体に差はないが、自動包装機を装備していること、24時間体制を強いていることが特徴である。
B社加工場


カット野菜への取組み
 また、カット野菜の取組みを行っている卸、仲卸がいる。ただ、カット野菜の採算は相当に厳しく、中でも消費地でカットを行う場合、多品目になり生産性が低く、赤字である場合が多い。多くの場合に、ホールものも、いっしょに納品することで採算を取る形で、顧客サービスの一環である場合が少なくない。
 そういう中にあって、G社はスーパーの惣菜部門向けのパッケージ商品として製品化して大きな成功を収めている。

G社加工場

産地市場併設型卸売市場:地方卸の取組み
 産地近辺に立地する市場は近年、地場野菜などを集荷して域内のスーパーや域外の市場への販売を強めており産地市場的な要素が濃くなっている。このような積極的な取組みをしている市場においては、コンシューマー・パックにも、積極的に取組む事例が多い。
 C市場もその典型的な例である。大規模な加工場で写真で見るようにコンベアを導入し、自動包装機も各ラインごとに装備している。C市場ブランドを付け、販売は出荷仲買の手により県内外に出荷されている。

C市場ニラの加工場
 F市場の場合は、市場から少し離れた場所に加工場があり、自社直営のハウスで生産した小松菜をコンシューマー・パックしており、ブランドをつけ、主に県外に出荷している。

F市場子会社の小松菜加工場


青果物の加工調製の今後と課題