生命機械

 遺伝子の解明と操作が学問の世界から工学技術的に細胞の大量生産に結びつき、それがビジネスへと発展していき、バイオテクノロジーへの関心が強まっていきます。バイオ・コンピュータという考え方も生まれてきます。この新しい分野にアメリカのベンチャー企業が殺到します。日本も必死にそれを追いついていこうと官民挙げての大騒ぎになります。その一方でクローン生物に対する気味の悪さ、気持ち悪さがあり、警戒というか倫理の枠を嵌めようという動きが強く現れる時代です。


アサヒグラフ82/2/19
               人の細胞を移植されたハムスター

クローン植物


巨大ゾイド型ロボット「モルガ」が可愛く首を振る様子(2011年)


機械との合体と融合
 バイオ騒ぎの少し前あたりから、機械と生物なかでも人間と融合することで巨大なパワーを獲得するという感覚が強まっていきました。合体・変形巨大ロボットであるゲッターロボ、ガンダムなどの漫画、アニメが登場し、大量の玩具、フィギュアを産み、オタク時代を作り出す原動力の一つになって行きました。

石川賢「ゲッターロボ」

 ロボットへの関心が強まっていく中で、昔に作られたSF映画に、そのレトロな雰囲気と怪奇性から、映画『メトロポリス』(Metropolis)が新たなロック音楽をつけて再上映されます。この映画は、フリッツ・ラング監督が1926年(大正15年)製作、1927年に公開されたモノクロサイレント映画で、ヴァイマル共和政時代に製作されたドイツ映画です。



鉄男
 機械との融合という点で先駆的な映画作品に塚本晋也監督による鉄男があります。インディーズ映画として公開さます。この手のものとしては異様なヒット作となり、海外でもこの手の人達の間では今でも高く評価されています。



 機械との融合あるいは人体型ロボット、アンドロイドという言葉は当時、まだできていなかったか、あるいは普通にはなかった言葉ですが、機械の叛乱という形の恐怖型の映画の傑作が当時作られた
ターミネーターです。アーノルド・シュワルツネッガーをスターダムにのし上げた作品としても有名です。日本でもCMでシュワちゃんと言われ大人気になります。



 生命への関心が強まる中で、気持ちの悪さが快感にまでたどりつく部分もあったのでしょうか。異種生命体が人間に侵入し融合する感覚の映画がエイリアンの登場以来、急増します。H.Rギーガーの創造したエイリアンの姿は金字塔になります。


 インディーズ映画の中でもカルト映画として大人気になったのが、かのクーロンネンバーグ監督が作り出したヴィデオドロームです。

 生命と機械あるいは異性物というか、得体の知れない何かが侵入してくる恐怖モノがこの時代に流行します。その中の一つにエルム街の悪夢があります。13日の金曜日なんかもその典型ですが、説明らしい説明をせずに煽り立てていく。恐怖モノが当る時代だったのでしょう。まぁ、掲載しなくても良かったのですが。
エルム街の悪夢13日の金曜日

寄生獣
 こちらの方が異性物の侵入という意味では究極のものかもしれません。岩明均の漫画です。


2014年には映画にもなりました