廃墟ブーム、九龍城砦

 美の限界、閉塞が「廃墟」、滅びたものへのロマンティシズムを見出そうという動きがあり、世界戦争の結果として生まれる廃墟、文明の後退へのロマンみたいなものも絡み合っていたのでしょう。壊れかけ、誰も寄り付きもしなかった廃墟あるいは廃墟じみた建物や場所への関心が高まっていきます。 これが90年代に入ると、より加速し大きなブームになっていくものです。その最初の契機とも言うべきものは香港にあった「九龍城砦」でしょう。 宮本隆司さんの写真集が大きな話題を呼びます。既に89年に取り壊しが決まっていたこのスラムへの関心が廃墟に結びつくことになりました。宮本さんはこの写真集で木村伊兵衛賞をもらっています。
 魔窟という表現されるような怪しげな雰囲気と住民が立ち退いた後の廃墟が混じりあったものです。 ここには時代の要求していた都市伝説的なもの、怪談や怪事件、未確認物体(UMA)、異界などが絡み合った欲望の空間となったことです。時代のロマンティシズムであり、かつてのいらなくなった物、廃棄物、汚れたものという認識から180度、認識が変わったことです。この流行は、様々なものを含んでいたためか2000年代になっても流行は続くことになります。



 なぎささんのブログになかなか魅力的な写真が掲載されています。

 21世紀に入る頃になると廃墟ツアーが流行し、かつての花街などを探索することが流行します。 下の写真はそんなものからです。 これからも写真を入れ替えると思いますので悪しからず。
九段下ビル(背後)