TVドラマ

 TVドラマというのはYouTubeには載らないんですね。初めて知りました。

 それはともかく、この時代にTVドラマの全盛期と言って良いと思います。演出家として優れた人間が輩出されます。最近の惨状を見ると、こんな時代は、もう来ないのではないかと思うくらいです。


佐々木昭一郎
 音楽と映像の素晴らしさでは右に出るものがいない映像作家です。四季・ユートピアがその後を決定付けたという感じです。それは中尾幸世という女優というより、少女の純粋さを佐々木昭一郎との間で維持し続けたことが大きかったのでしょう。『ピアノ調律師の栄子が四季を通して、音と共に成長していく姿を描く。幼い頃のピアノとの出会い、家族の不幸など様々な過去の記憶と共に、音や人々との出会いを通して成長していく少女を「夢の島少女」の中尾幸世が生き生きと演じる。』
 中尾幸世
主な作品
○紅い花(1976年) - つげ義春作品をモチーフにした。文化庁芸術祭テレビドラマ部門大賞。草野大吾
               国際エミー賞優秀作品賞。
 佐々木昭一郎という映像作家がいることを最初に認識させられた作品です。

○四季・ユートピアノ(1980年) - 文化庁芸術祭テレビドラマ部門大賞。放送文化基金賞ドラマ番組部門本賞。ギャラクシー賞。
                    イタリア賞テレビドラマ部門グランプリ。国際エミー賞優秀作品賞。全米でネットワーク放送。
○川3部作 - オール海外ロケ作品。 (動画
  川の流れはバイオリンの音  イタリア・ポー川(1981年) - 文化庁芸術祭テレビドラマ部門大賞。イタリア市民賞。
  アンダルシアの虹 川(リバー) スペイン編(1983年)
  春・音の光 川(リバー) スロバキア編(1984年) - 文化庁芸術祭テレビドラマ部門優秀賞。芸術選奨文部大臣賞。毎日芸術賞。

四季ユートピア



和田勉
 NHK時代が最高の人です。NHKに出てから、その特異なキャラクターで変な人気が出たりしましたが、演出家としての力は大きく落ちていたと思います。NHK時代は芸術祭男と称され、抜きん出た演出力は高く評価されました。80年前後の作品の素晴らしさは、なまじの映画監督以上でした。特に「阿修羅のごとく」、「天城越え」は映画よりも私は良いと思います。
ザ・商社
主な作品
 『天城越え』  1978   佐藤慶、大谷直子
 『阿修羅のごとく』 1979  加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹純、佐分利信
 『ザ・商社』   1980   山崎努、夏目雅子
 『けものみち』  1982  名取裕子、山崎努、西村晃、加賀まり子



久世光彦
 向田邦子脚本、演出久世光彦は抜群のコンビとされ、特に向田さんが死んだ後、数多くの作品の演出をし、向田さんを世に残す大きな働きとなります。晩年は小説を何本か書いています。

主な作品(独立後)
 向田邦子新春スペシャル「眠る盃」「夜中の薔薇」「冬の家族」  1983
 「女の人差し指」 1986  田中裕子、加藤治子、小林薫、四谷シモン
 「花嫁人形は眠らない」 1986  田中裕子、小泉今日子、笠智衆、加藤治子、池部良
 「恋子の毎日」  1986   田中裕子、小林薫、ビートたけし
 「麗子の足」   1987   田中裕子、加藤治子、佐藤慶)
 「小石川の家 」 1996   田中裕子、森繁久彌、田畑智子、渡辺美佐子
 「蛍の宿」     1997   岸恵子、清水美砂、戸田菜穂、田畑智子
 「昭和のいのち」 1998  岸恵子、清水美砂、戸田菜穂、田畑智子、北村一輝 
 「あさき夢見し」  1999  岸恵子、天本英世、藤村志保、清水美砂、小林薫



深町幸男
 深町さんは演出家としてマスコミに大きく取り上げられることは少なかった人ですが、演出作品は高く評価されています。特に80年前後の「事件」、「あ・うん」、「夢千代日記」は映画化されたものより、素晴らしいと思いました。

事件                              あ・うん                         夢千代日記
主な作品
 「駅」      1965    宮口精二、村瀬幸子、佐藤慶、小林千登勢、石立鉄男、吉村実子
 「冬の桃」   1977    小林桂樹、三田佳子、笠智衆
 「事件」     1978    若山富三郎、大竹しのぶ、いしだあゆみ、佐々木すみ江、伊佐山ひろ子、石橋蓮司、殿山泰司
 「あ・うん」   1980    フランキー堺、杉浦直樹、吉村実子、岸本加世子、岸田今日子、池波志乃、殿山泰司、志村喬
 「夢千代日記」 1981   吉永小百合、林隆三、秋吉久美子、樹木希林、中条静夫、緑魔子
 「父の詫び状」 1986   杉浦直樹、沢村貞子、吉村実子


 向田邦子さんほどではないけれど、脚本家の倉本聰さんも、この時代に活躍する一人です。「北の国から」が最も有名です。私自身はあまり好きでないので放映中は見ておりません。この間、デジタル・マスター版が出たので見て、あぁ、なかなか良い作品だったのだと、今時とは比較にならぬものだと分かりました。
北の国から

 私は山田太一ものは、あまり好きでないので、出すのを躊躇うのですが、岸辺のアルバムは、この時代の名作です。家族の崩壊を扱うものですが、ちょっと甘っちょろいのが、どうも・・・

 これらの名作ドラマが終わる頃に、TVはいわゆるトレンディ・ドラマの最盛期を迎えます。ここらになるとバブル時代の浮かれた気分と相当に重なり合ってきます。バブルの時代「崩壊」華麗なる転身にトレンディドラマの名前を掲げてありますので、参考にしてください。画像だけここに残しておきます。金曜日の妻たち、いわゆる金妻は流行語にもなりますし、男女7人物語はバブル時代には必ず取り上げられるドラマです。