s50年代 妄想=脳の夢



(脳の夢=妄想)

 妄想世界は、どのように構築されていったのか。一つの要因は、やはり豊かさが精神的な退廃が呼び込み、ヒッピー・ムーブメントから始まった神智学、そこから沸き立ってくる精神世界に対する関心でした。豊かさは精神的な高さへの追求ではなく、より安易な解決を求めて様々に変容していき、この時代の最後に新宗教ブームに到達します。これを私は妄想の亢進と名付けました。新宗教ブームは1995年に起きるオウム真理教事件で幕を閉じます。
 妄想の中に時代を一斉風靡したニューアカ<ニュー・アカデニズム>が入っていることに、反発される方もいるでしょう。高度に知的なものが何でと。でも彼らが多く新宗教ブームのお先棒を担ぎましたし、バブル時代を経て左翼、共産主義に回帰していくことになります。その結果として、21世紀初頭、各国で起きる左翼政権の誕生を後押しすることになった。左翼政権の、現実離れした無能は、混乱しか生み出さず、理想とは懸け離れた無惨な姿をさらすことになります。彼らの思想は、知的遊戯であり、やはり妄想としか言いようもないものだと思います。

 欧米の影響下にあったニューアカの新人類による知的遊戯から脱して、無意味ともいえる極めて小さな、トリヴィアな差異を求める形で、仲間内で異様に盛り上がる形の「オタク」が生れてきます。残念ながら私自身は新人類でもなければ、オタクでもない旧世代ですから、オタクの誕生前後を語ることはできません。オタクに向う新人類の最後に近い部分をこのHPは取り上げます。


(超能力への夢想)
 超能力ブームがTVなどメディアで大流行して行きますし、子供や若者にも蔓延していきます。超能力ブームの中で映像的な衝撃を与えるのは大友克洋です。細密な書き込みとスケール感に凄いものがありました。その最終的な姿はアキラに結実します。一般の雑誌では、下の「童夢」が長編であり、もっともまとまった作品です。日本SF大賞を受賞しています。

大友克洋「童夢」
 童夢のオマージュともいうべき漫画を江口寿史も書いています。

江口寿史「POCKY」

(科学技術が作り出す妄想世界)
 この時代は科学技術の面からも、妄想的な世界をアシストするような出来事が起きてくるのも、この時代が持っている熱気のようなものでしょう。人工現実感やSFXなど主に映像の世界に入り込んでくる。これらがやがてロボットの開発に向かっていくことにもなります。