ゴルフ・ブームから練習場が盛んに建設されるのですが、都心部にそうそう建設もできずに、郊外に広がるようになると、眼前にスクリーンを出してボールを打つと軌跡を計算し飛ぶ距離を出す形が70年代の末から現れ、それが次第に有名ゴルフコースを擬似化するタイプが現れます。シミュレーション・ゴルフ、スクリーン・ゴルフが相当に普及します。こういうシミュレーションはゲーセンの流行によって、一般化し抵抗がなくなり、より精密でリアルさが技術向上されていきます。下は東京海上火災のドライビング・シミュレーターで、こういう雰囲気の中で仮想現実という概念が出てきます。
武田徹「世紀末風俗研究」から

仮想現実  Virtual Reality

 バーチャルリエリティが紹介され始めたときに、理工系以外の連中にも大きな刺激を与えます。HMDなんかはオーム真理教なんかに、何の意味もなく採用され、何か格好イイという感覚でしょうか。SFが現実に近づいた感覚でしょうか。まぁ、しかしあれから四半世紀、重たいディスプレイは眼鏡型になったり、様々な形の応用がされるようになりました。仮想現実ではないかもしれませんが、洋服を選ぶ時に試着の前に、どういう感じになるかをディスプレイで見せるなんてのもあります。戦争関係では、実戦はともかく相当に応用があるようです。また、宇宙関係、原子力関係では人間の活動が制限される分、技術開発は進んでいるようです。仮想現実はロボットと同じく次代の夢の技術という感覚が濃くあります。画像は服部圭「人工現実感の世界」から。

ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)

データスーツを着た女性の動きに合わせてCGが動く                           三次元HMD

宇宙空間でロボットが人間と同一の行動をする                    手のマニピュレーター
 ここらは、あまり意味がある感じのものではないですが、昔はこんなことを考えました程度のことですかな。


 電脳という言葉は現在でも非常に多く使われていますが、大分、手垢がついてきました。もはや誰が言い始めたのかも定かではありませんが、多分、慶応大学の坂村健教授でしょう。言うまでもありませんが、TRONプロジェクトの中心メンバーであり、ユビキタスという概念をこの時代に提唱した大変な人なんですが世間的には、それほどポピュラーではありませんが、それでもよく知られている人物です。
 
 コンピュータの急激な高度化と小型化の進捗により次第に脳に近づく感覚が強まったためか、この時代に脳科学への関心が高まっていきます。また、変態的な興味と科学的な興味がないまぜになった感じで解剖学と組み合わさる形で、そこらの専門家として養老猛司教授がマスコミに頻繁に登場するようになります。その弟子である布施英利氏も名前が出てきます。

 仮想現実を作り出す人間に装着する装備類に、未来型のファッションを見出すデザインが現れ始めます。不気味さという異化効果なのでしょう。不思議な気分が横溢しています。

スーパー・トルーパー                      ナイト・ビジョン・ゴーグル
軍事の記号学メディアスーツ

 時代は次第に人間型ロボットに向かっています。こんなものも出てきます。階段を上るというのがテーマであった時代です。